この記事を読んでいるあなたは、テレビなどで「もち投げ」を知ったのでしょうか?それとも、毎年参戦していて「今年はいつかな~」と考えてこのサイトにたどり着いたのでしょうか?
盛大すぎる!と話題の、愛知県西三河地域のもち投げ。この記事は、その裏側にせまる本邦初(当社調べ)の連載コラム・第2弾です。今回は8月~9月の様子をお伝えします!
前回の記事(祭り開催半年前 編)はこちらから読めます。
愛知県西三河「もち投げ」 の裏側を取材してみた。【1】開催半年前・打合せ編
※2024年8月~9月取材・撮影
【8月】想定外の事態が発生!?
2024年8月某日、碧南市・道場山(どうじょうやま)区民館。10月に開催予定の秋祭りに向け、数え年42、厄年の男たちによる打ち合わせが行われました。
例年、開催2か月前から徐々に記念品の手配を進めていきますが、ここで想定外の事態が…。8月8日に、宮崎県で震度6弱を観測する地震が発生。南海トラフ地震臨時情報が発表されたのです。災害発生に備え、日用品を大量備蓄する人も。この影響で、記念品のひとつ「箱ティッシュ」も量販店から一時姿を消してしまいました…!
(補足)愛知県西三河地域で行われるもち投げのもちはビニール袋で包装されていて、その中に1等、2等などと記した小さな紙が同封されています。この紙と記念品を引き換えることができ、市指定ゴミ袋といった日用品から豪華賞品まで、バラエティ豊かな記念品が用意されます。
※「当日のお楽しみ」の情報が含まれるため、
画像を一部加工しています。
でも、幸い箱ティッシュの流通はほどなくして復活。問題なく予定数を手配できる見通しが立ちました。
続いては投げるもちの総数を相談。前回4月の会議にて、もちの個数はトータル2万3千個で仮確定していましたが、改めてこの数で確定しました。
安全対策に余念なし!
さらに当日のレイアウト決め。テーマは「ちびっこでも安全に楽しめるもち投げ」。当日は道場山神明社の境内にたくさんの人が集まり、大混雑!もちを拾う参加者と、見ている観覧者をしっかり区分けして安全対策することに。ホワイトボードに会場の図を描き、具体的に必要な資材なども検討していきます。
ちなみに左上の「演芸場 高額」というのは、「演芸場(舞台)に高額な記念品を並べる」という意味。毎年、目玉の賞品を目立つ場所に並べることで、参加者の闘志(?)が燃えるのだとか。
会場のレイアウトにも、地域の参加者が楽しめるようにという思いを感じます!
打合せの最後は、当日の記念品引き換えについての話し合い。厄男たちは、もちを投げたらすぐ自分の持ち場の記念品交換スペースに移動!前厄・後厄のメンバーも協力し、記念品を参加者に手渡していきます。
特に、数ある記念品の中でも「箱ティッシュ」は1万個以上と大ボリュームなので、担当者は大忙し!ちなみに 4トントラックで運び込むそうです。
【9月】厄男たち、久々の手書きに緊張。
さて、時は変わって9月上旬。この日は、祭り前に行う地元の企業まわりの案内ハガキを書きました。厄男たち、気持ちを込めて手書きです!
なお、厄男のひとりであり、近所のはなし元編集長である角谷の談によると「でも、おじさん、字書かないし、手紙なんて普段書かないから、大混乱…書き損じ多発…」ということです。(笑)
近づいてきた秋祭り当日!
厄男たちは8月24日から、毎週土曜の夜、区民館に集まって準備を進めているとのこと。いわゆる“働き盛り”世代の男たちが毎週末集まっているって、なんかすごい。
「打合せが終わったらみんなでご飯にでも行くんですか?」と尋ねたところ、「いや、晩ご飯食べてから集合だよ。打合せして、解散。」と即答!もち投げというと、豪快でちょっぴりヤンチャな印象があるかもしれませんが、その裏側は想像以上にみんな真剣。まじめです。綿密な計画や準備があってこそのお祭りなんですね。
いよいよ近づいてきた秋祭り当日。厄男たちは、この土曜も地域のため、祭りのため、集まっていることでしょう。(文:鶴見弥耶/2024年9月公開)