愛知県刈谷市広小路に素敵なビルを見つけました。建築家・植物屋オーナーの都築さんが10年近く使われていなかった空きビルを再構築し、月1回各方面のエキスパートたちと共に「居心地の良い美味し嬉しい」空間を築き、みなさまをお待ちしています。
題して「BUILDING みどりや BUILDING プロジェクト(略してビルみど）」！建築家都築さんが試みるビル再生＆人と町を繋げるコミュニティの場所づくりをご紹介します！
※2024年2月取材、お出かけの際は最新情報をご確認ください。
みどりやビルの今昔
みどりやビルは愛知県刈谷市広小路に建つ鉄骨造4階建ての建物です。1992年3月仏壇店として産声を上げ、1999年にはお菓子の卸問屋業を営む「有限会社みどりや」が入店。
10年ほど前に「有限会社みどりや」が閉店してからは、ほとんど使用されていない寂しい空間でしたが、2023年5月に都築さんが「みどりや設計室＆mid-ry（植物屋）」を1階に開業したことを皮切りに、2024年11月には全館リノベーションを実施。設計室と植物屋は上階へ移転し、1階2階は遊休スペースとして生まれ変わりました。
遊びに来てね！月1開催オープンテナント
「人と町を繋げるコミュニティの場を造りたい」という都築さんの思想を体現しているのが毎月開催されているイベント「オープンテナント」です。
みどりやビルでは毎月テーマを決めて各分野のエキスパートたちを集め、心地良い、美味しい、嬉しい空間を造っています。2025年1月は「年始の整い」、2月は「和の趣」。都築さんのお人柄、丁寧な生き方に共感した店主さんが集うオープンテナントは実に個性的で毎月通いたくなるラインナップです。
見つけてね！みどりやビルの楽しみどころ5選
2階に設置されている木製のベンチは過去のワークショップで参加者の皆さんと作ったもの。廃材を活用していることと、上に積み重ねができるように座面の4隅に凹みがあるのがポイントです。
サステナブル（持続可能）という言葉を聞くようになって久しいですが、まだまだ日本人は新しいもの好きなきらいがあります。都築さんは家具デザインも行い、廃材活用して付加価値を生み出します。ビル内にある卓球台をリメイクしたテーブルは大きくて我が家に置く場所なんてないのにとても欲しくなりました。ザ・都築マジック！（注意：売り物ではありません）
こちらは都築さんがデザインしたこたつ。人の話に耳を傾けデザインに取り入れる都築さんが創り出すモノには人の柔らかさ、ぬくもりが感じられます。現地で触ってみてくださいね。
都築さんは好きが高じて植物屋mid-ry（ミドリー/みどりやビル3階）も運営されています。過去のワークショップでは「シダ植物の板付け作り」が行われました。
マンション住まいで土いじりが難しい方や虫が苦手な方でも楽しめる緑のご提案はとても嬉しいし、実際に作ってみたい！
1階から3階に置かれたコンクリートブロックでできたカウンターテーブルも都築さんの思想から生まれた作品です。通常コンクリートブロックはセメントやモルタルで固め積み上げるものですが、都築さんは「自分の手で組み立てられ、自分の手で解体ができること」を考え、解体と再生が繰り返し可能な木の目地工法を編み出しました。
何気に置かれているモノがいちいち秀逸で面白い！あなたはきっとみどりやビル内で建築家の小技を見つける度にワクワクすることでしょう。
みどりやビルの管理人は都築基史さん
刈谷市に生まれ、刈谷市で育った都築さんは大学進学のため上京、その後メーカーに就職しましたが、建築を学びたいという気持ちが強くなり早稲田大学芸術学校（夜間専門学校）へ入学。数々の経験を積み、独立のタイミングで地元刈谷市へ戻り、仕事場を探します。
「みどりや」という共通の単語からもしかしたら、と思われた方もいるかもしれませんが、みどりやビルを所有しているのは都築さんのご親族です。 都築さんは親族を説得し、1階のみをリノベーションし2023年5月にみどりやビルで開業しました。その後2024年には近くに仲間が欲しくなり、上の階も空けてくれるよう粘り強く交渉し、現在のカタチとなりました。
建築家・植物屋オーナー都築さんのお仕事
筆者は今まで建築設計を生業としている方とご縁が無かったため、都築さんとお会いして建築家という職種のイメージがかなり変わりました。建築家のお仕事で「建物を格好良くデザインすること」は序章に過ぎず、最終目的は「人と町を繋げるコミュニティの場を造る」ことだと知りました。
都築さんの活動一部抜粋
●八百芳商店ワイン倉庫（安城市）設計
●市営大山田東住宅ビアホール(安城市)設計
●刈谷市駅周辺まちづくり懇談会講師（刈谷市）
●ハチドリカフェ植栽デザイン（安城市）
●カリマチストリート植栽デザイン（刈谷市）
都築さんの丁寧な物の考え方をお聞きしてからビル内を回遊すると、まるで小説の伏線を回収しているような気持ちになります。建築家が再生したビルだからなのか、はたまた都築さんの奥ゆかしいお人柄がついにじみ出てしまうのか。
みどりやビルは、建築家兼・植物好きな都築さんの魅力が詰まった面白い建物です。オープンテナント開催時は1階～4階、屋上まで開放されます。
建築家ならではのアイデアがたくさん詰まったみどりやビルで「人と繋がる楽しさ・意外な発見」を体感しにぜひお越しください！（取材：佐々木朱美・保坂嶺太/2025年2月取材）
みどりやビル
場所 愛知県刈谷市広小路4-6
営業日時（mid-ry） 火・木・土・日13：00～17：00
駐車場 約150ｍ先の市営御幸駐車場（1時間無料）をご利用ください
公式HP
公式Instagram
※オープンテナント開催日はInstagramでお知らせしています
※オープンテナントに出店ご希望の方はInstagramよりご連絡ください
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