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富士山――それは言わずと知れた日本最高峰の山。「日本人なら一度は登っておくべき」と言われるとか言われないとか。
かくいう私は一度も登ったことがなく、登りたいと思ったこともないのですが、2月23日は「富士山の日」ということで、富士山に登るというミッションが下されました(誰から?)。はて、どうしたものか…と思案していたところ、なんと愛知県は佐久島に、日本で最も低い富士山があるとのこと。これなら私でも登れる!と意気込んで、さっそく富士山登頂にチャレンジしてきました!
※2025年2月取材時点の情報です。お出かけの際は最新情報をご確認ください。
富士山目当てなら佐久島東港で下船
佐久島の富士山に登るには、まず西尾市にある一色港から、佐久島へ船で向かう必要があります。
佐久島行きの船は1日7便。どの便も、西港へ到着した後、東港へと向かいます。地図を見ると富士山に近いのは東港。約25分の船旅ですが、ぼーっと波を眺めていたらあっという間に到着しました。詳しい時間や渡船料金など、詳細は佐久島公式サイトで確認を。
ちなみに佐久島の富士山は「ふじやま」と読みます。
青い看板の「富士山弘法道」が目印
さて、東港についたものの、特に富士山への道案内があるわけではありません。島の全体像のイラストが描かれた立て看板を見ると、「何となくこっちの方」ということはわかりますが、どの道を行けばいいのかはっきりわからず。
「まぁ、なんとかなるでしょ」とおもむろに歩き始めると、「富士山弘法道」という青い案内看板を町なかで発見!どうやら道は合ってるみたいです。
佐久島の町並みを味わいながらてくてく歩く
案内の矢印方向に、細い路地をてくてく歩きます。
冬の佐久島は初めて訪れましたが、とっても静か。しかも誰も歩いていないので、「ほんとにこっちで合っているのか?」と不安になりますが、ところどころに「富士山弘法道」という案内板が出てくるので、それを頼りに歩きましょう。
阿弥陀寺を目指していくのがいいかも
しばらくすると、佐久島弘法巡りの第一番札所である阿弥陀寺が見えてきました。ちなみに佐久島には、大正の初め頃に島内各所に88カ所の小さな弘法大師の祠が作られたそうで、4月29日(旧暦3月21日)には弘法祭りも行われます。詳しくはこちらでチェックしてみて。
さてさて、富士山への道は合ってるみたいですが、一体どこが富士山の入り口なのでしょうか…?まだ入山していないです?よね?
歩きやすい佐久島富士山
阿弥陀寺からちょっと歩くと、ようやく登山っぽい道になってきました。とはいえ、傾斜がキツイわけでもなく、ちょっとしたピクニックという感覚。舗装されているのでこれなら登山初心者の私でも余裕です!(ただし、もう少し進むと舗装なしのいわゆる山道になるので、歩きやすい格好は必須です)
道幅は1メートルくらいなので、下山者がいても余裕ですれ違えます。
遠くに海が見えてキレイ~
登っていくと、遠くに海が見えてきました。冬の時期の佐久島は寒いですが、冬晴れで遠くがきれいに見える上に、虫がいないので快適です。夏にここに来たら、一体どれだけ蚊に刺されることやら…。
歩いていると、島でただ一人の駐在さんに「何してるんですか」と呼び止められ、「この時期にこの辺を歩いている人は独りもいないからねぇ~」と言われ、「ですよね」と思ったことはここだけの話です。
佐久島富士山頂上付近にある浅間神社
佐久島富士山にも、浅間神社があります。浅間神社は富士山をご神体としている神社。実は、富士と名の付く山は日本各地にあり、浅間神社も各地に造られています。
『一色町誌』によると創建は慶長6年(1601)で、祭神は木之花開耶姫命(コノハナノサクヤビメ)。鳥居は後から作り替えたのでしょうか?「浅間神社」と書かれた木の札は歴史を感じさせます。
ベンチと木札が山頂の目印~
やがてベンチが見えてきました!ついに登頂です。といっても、周りは木々に囲まれているので、キレイな景色が見えるというわけではありません。でも、小学校の遠足以来、山と名の付くものに登ったことのない私にとっては、ちょっとした満足感。ここまで来るのに、港から30分くらいでしょうか…。
ベンチの近くに「佐久島 富士山 31m」と書かれた木札を発見。左の写真にも写っているので探してみてください!
近くの丹梨海岸へ立ち寄るのがオススメ
あまりにもあっけなく富士登頂が叶ったため、近くにある丹梨(たんなし)海岸へ。ここがとても美しい海岸で、キレイな小石がたくさんあります。海の透明度も高く、思いがけず絶景に出会えたことに感動!
さらに歩いていくと、ところどころ紫色に光る砂浜へ。これはムール貝やウチムラサキ(大あさり)のカケラが砂に混ざっているのだそう。どうやら新谷海岸にたどり着いてしまったみたいです。
せっかくならアート巡りも楽しもう
最終フェリーまではまだまだ時間たっぷり!ということで、アート巡りをするのもおすすめです。東港付近には、写真の「イーストハウス」(作者:南川祐輝)や「佐久島テラス」(作者:横山将基 [TAB])、「佐久島の秘密基地/アポロ」(作者:POINT (長岡勉+田中正洋))などが設置されています。
その他のアート巡りについてはこちらもどうぞ。
(2025年2月取材・撮影/取材:河合春奈)
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