気候変動への対策や従業員の健康、働きがいなど、SDGsの11項目を目標に掲げている愛知県碧南市の運送会社「栄光陸運」。特に大切にしているのは、無事故・無災害であること。常日頃からドライバーの安全教育や環境負荷の少ない運転を行っています。
栄光陸運のSDGsへの取り組みから、運送業界にできることを探ります。
運送会社、栄光陸運が取り組むSDGs
碧南市西端地区で1994年に設立した栄光陸運は、77台のトラックやトレーラーなどを所有し、企業から依頼を受けた荷物を全国各地に届けています。特に、道路や商業施設などの建設で使用されるコンクリートや鉄骨といった重量級の荷物輸送を得意としています。
そんな栄光陸運では、SDGs達成への取り組みを意識し、健康や教育、働きがいなど11の項目を目標に定めています。
SDGs達成への取り組みを意識
特に大切にしているのは、無事故、無災害。SDGsの4番目のゴールである「質の高い教育をみんなに」に関して、常日頃からドライバーの安全教育を徹底して行っています。そして、13番目のゴール「気候変動に具体的な対策を」については、アイドリングストップなどドライバー一人ひとりが、環境に負荷の少ない運転をしようと日々、努力をしています。
55人のドライバーは、毎日違う荷物を違う場所へ運ぶため、その時々で運転の状況も変わり、高い技術が必要とされるのだそうです。
運転の様子を記録し、安全運転に活かす
栄光陸運の車両には、ドライブレコーダーとデジタルタコグラフが装備されています。デジタルタコグラフとは、速度や走行時間、走行距離などの情報が分かる運転記録計です。インターネットを介し、事務所の担当者がパソコン画面からリアルタイムで運転の様子を見ることができます。
他にも、速度超過やエンジン回転オーバーなどの情報も分かるといい、安全指導に役立てています。月に1度行われる班ミーティングで、問題のあった運転について指導を行っています。
燃費を向上させると燃料費が安くなり
地球環境にもプラスになる
さらに、月に1度の部課長会議では、燃費向上への取り組みについても話し合います。「燃費を向上させると燃料費が安くなり、地球環境にもプラスになる」といった内容が社員に伝えられます。また、車種別の月ごとの平均燃費を一覧にし、それぞれの燃費についても共有します。社長の鈴木栄子さんは「それぞれのドライバーが、自分の運転の燃費を把握しているかが大事」といいます。
こうした地道な取り組みがドライバーたちの、エコドライブや安全運転への意識向上につながっているのです。
安全に配慮した運転が
自然と環境への配慮につながる
大学を卒業し、2021年4月に入社した粕谷佳吾さん。先輩ドライバーから時間をかけて安全運転を学び、2~3か月してから独り立ちしました。4t車、15t車と徐々にスキルアップし、今はトレーラーの免許を取得するために仕事のかたわら自動車学校にも通っています。
粕谷さんが気を付けていることは、事故を起こさない安全運転。それが、エコドライブや燃費の良い運転にもつながると言います。「環境のために、燃費を考えて急発進や急ブレーキをしない。事故を起こさないように運転すれば、自然と環境への配慮にもつながります」
社員たちが元気に働くことが大切
「私たちが寝ている間にもドライバー達は一生懸命運転して目的地までものを届けてくれる。そんな社員たちが元気に帰ってきてくれることが大切です」と社長の鈴木さん。
働きがいや、住み続けられる町づくり、そして気候変動への対策など。栄光陸運が取り組むことは、SDGs、さらに社員の笑顔と地域の活性化にもつながっているのです。(取材・撮影:映像舎/文:石川玲子/2022年3月取材)
栄光陸運
碧南市に本社を置く運送会社。1994年設立。70台以上のトラックやトレーラーを所有し、企業から依頼を受けた荷物を全国各地に届ける。特に、道路や商業施設などの建設で使用されるコンクリートや鉄骨などの重量級荷物の輸送を得意としている。
本社住所:愛知県碧南市吹上町4-1-9
電話:0566-46-3357
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