まち全体で高校生の勉強を応援！～まちスタプロジェクト～

特集
西尾市

2025年3月10日

まち全体で高校生の勉強を応援！～まちスタプロジェクト～

#新しい時代を生きる

今、西尾市では、まち全体で高校生の勉強を応援する取り組みが行われています。その名も、まちスタプロジェクト！高校生からの「友だちと勉強する場所がほしい」という声に応えつつ地域活性化も目指す。どんな取り組みなのか取材しました。
（2024年12月取材）

勉強する高校生を応援するまちスタ

まちスタプロジェクトとは、西尾市中心街の飲食店などが中心となり、高校生の勉強を応援する取り組みです。勉強をする高校生を対象に比較的安価に商品を提供したり、机と椅子のあるスペースを利用できるようにしたりしています。西尾市商工振興課　鈴木裕一郎さんは言います。
「西尾市で開催したビジネスプランコンテストで、高校生からの意見として『友だちと勉強する場所がほしい』という声がありました。それに応えまちスタプロジェクトを実施することになりました」

高校生からの要望がきっかけ

「高校生からは、空き家や空き店舗を使いたいという意見がありましたたが、それだとコストがかかってしまいます。そんな中、市内の飲食店から『お客さんの少ない時間帯を使って支援したい』という申し出があり、このプロジェクトを行うことになったんです。勉強した思い出ができることで、将来そのお店でアルバイトをしたり家族や友人を連れてきてくれるなど、人の流れができることで賑わいが生まれ、市街地の活性化にもつながると考えています」と鈴木さんは語ります。

勉強できる場所を求める高校生

カフェプレインソレイユは、名鉄西尾駅から徒歩５分のところにあります。2018年にオープンし、フランス映画「太陽がいっぱい」の原題が付けられたこのカフェは、店主が手挽きしたコーヒー豆をハンドドリップで抽出するこだわりのコーヒーで人気を集めています。
店主の宮地利和さんは言います。
「高校生からは、図書館がいっぱいで座れない。勉強できる場所がないと聞きました。彼らが将来、大学生や大人になったとき、店で勉強したことが役に立てばいいと思い協力することにしました」

勉強での利用で特典が

西尾駅に近いため、以前からプレインソレイユでは、勉強する高校生もいたといいます。この日は、市内にある鶴城丘高校の生徒に、まちスタプロジェクトを体験してもらいました。
まちスタプロジェクトには特典があります。勉強しにきたことを伝えて、ドリンクを注文すると、このカフェでは、全て400円で飲むことができます。
「当店はメニューが少ないので、お菓子を持ち込んでもいいことにしています。みんなアルバイトもできないし、塾とかでもお金かかりますから」と宮地さん。
体験に来た高校生も「学校がバイト禁止なので助かります」とうれしそうです。

やりたいことが実現できてうれしい

今回まちスタを体験した高校生の中に、勉強する場所についてのビジネスプランをコンテストに応募した生徒がいます。実際にカフェで勉強してみて、どう思ったのでしょうか？
甲斐心夢さんは「うれしいです。自分がやりたいと思ったことが、少し違う形でもできるようになったので」と語ります。
岩瀬初音さんは「学校帰りに友達と勉強したいと思っていたので、それができる場所ができたのがうれしい」と教えてくれました。

スポーツクラブでもまちスタ

高校生がドリンクなどを注文して料金を払うことで、気兼ねなく友達と勉強できる、まちスタプロジェクト。現在、まちスタに参加している6店舗の中には、西尾高校のすぐ北側にあるＰＡＬスポーツクラブ６・３もあります。
総支配人の後藤武司さんは言います。
「市の方から、そういう活動をしていると聞きました。まちスタ以前から当クラブの高校生会員がスポーツクラブ内で勉強をしている環境があったんです。そのため、すでに環境は整っており、ご提案をいただいたときにすぐにやれそうだと思いました」

家じゃないから集中できる

ＰＡＬスポーツクラブ６・３では、会員にならなくても、495円で、ミニスタジオに確保された学習席で勉強することができます。
カフェと同じく、鶴城丘高校の生徒にまちスタを体験してもらいました。
「すごく進んだ。助かった」
「家でやると、ついゲームとかの誘惑にまけてしまうので、こういうところなら集中できる」
「友だちと一緒に勉強できたことで、勉強が楽しくなった」と、高校生たち。
さらに、まちスタで勉強すると、クラブ自慢のお風呂とサウナが使い放題になるそうです。