愛知県の名鉄西尾駅から徒歩5分の「天野ゲーム博物館」は、昔懐かしい名作ゲームが並ぶことで知られています。これまでは多くのゲームファンが集まっていましたが、コロナ禍で遠方への外出が減るなか、家族連れやカップルも訪れるようになり、客層に変化があるといいます。
今回は、「天野ゲーム博物館」に密着しました。
懐かしの名作ゲームが並ぶ「天野ゲーム博物館」
西尾市高砂町にある「天野ゲーム博物館」の開館は毎朝9時ちょうど。天野欽史館長の最初の仕事は、ゲームの電源を入れてまわることです。
「この店には、日本で一番古いアーケードゲームといわれる、インベーダーゲームがあります。社会現象にもなって、造幣局で100円硬貨の生産が追いつかないといわれるくらい人気になりました。さらに1985年に誕生したスペースハリアーというゲームもあります。これはもう全国で4台くらいしかありません。そういう貴重なゲーム機が100台くらい並んでいるのがこの博物館です」と、天野館長が店内に並ぶ自慢の名作ゲームを紹介してくれました。
ここにしかないゲームに惹かれる来館者
日本でもここにしかないというゲームが並ぶ天野ゲーム博物館には、毎日早朝からゲームファンが訪れます。
「天野ゲーム博物館」の魅力を訪れたゲームファンに聞くと、「ここにしか置いてないゲームが多いのがここの魅力です」、「子どものころからずっとやってみたかったゲームが置いてあるし、初めて来るのに実家に来たみたいな安心感があります」と、ゲームファンから見たさまざまな魅力を語ってくれました。
コロナ対策も万全に。
協力の呼びかけも欠かせない
営業中、天野館長は入り口が見える場所から、監視カメラの映像を確認し、館内の様子に気を配ります。この一年、天野館長はあらゆるコロナ対策を行ってきました。来館したお客が手を消毒しているか、マスクをしているかを確認し、館内マイクを使って協力を呼びかけ、入り口にもたくさんの注意書きの張り紙があります。
お客への呼びかけは、「お金はほしいけどコロナはいらないからね」などと冗談を交え、館内アナウンスで訪れたゲームファンを楽しませます。
コロナ禍で増えた家族連れ。
世代を超えて親しまれるゲーム
博物館にあるゲームは、すでにメーカーでも修理できないものばかり。現在は、幼い頃から機械いじりが得意だったという天野館長がひとつひとつ修理しています。大切にしてきたゲームをたくさんの人に楽しんでもらいたいと願う天野館長。
そんななか、コロナ禍で博物館の客層にある変化が見え始めたといいます。地元の家族連れや女性など、これまでゲーム博物館を訪れた事のなかったお客さんが増え始めたのです。
子どもと一緒に博物館を訪れた人に話を聞いてみました。
「最近のゲームセンターはプリクラやUFOキャッチャーばかりなので、こういったレトロなゲームが並んでいるのは新鮮です」、「旅行に行けないので、親子で楽しめる近くの場所を探して、ここに来ました。最初は子どもが楽しめるか不安でしたが、楽しんでくれたので良かったです。」
天野ゲーム博物館が世代を超えて楽しみを提供してくれたようです。
誰もが心癒やされる時間が流れる博物館
さらにこんなお客さんも...。
「ネットでレトロなゲームがたくさんあると知ってここに来ました。昔はよくゲームセンターで友人と遊んでいて、きょうは久しぶりに学生時代の友人を誘ってきました」、「久しぶりだったのでとても楽しかったです。昔はお互いの腕を競いあっていましたが、いまはもう懐かしいという気持ちの方が強くて、感動の方が大きいですね」と、子どもの頃のような無邪気な笑顔を見せてくれました。
天野館長は「やはり楽しんでいるお客の笑顔を見るのが私にとって一番楽しい。帰りに笑って『また来るね』って言ってもらえると、この博物館を楽しんでもらえたのかなと感じ、嬉しくなるし、もっと店を続けようと励みになる」と話してくれました。
現在84歳(2021年5月時点)の天野館長の目標は「あと20年店を続けること」。コロナ禍で新たな客層も増えてきた天野ゲーム博物館には、レトロなゲームを存分に楽しみ誰もが心癒やされる時間が流れています。
天野ゲーム博物館
レトロゲームの聖地「天野ゲーム博物館」。スペースインベーダー、グラディウス、スーパーハングオンなど、全国でもここでしか遊べないしかないレトロゲームなどが100台以上!
場所:愛知県西尾市高砂町41番地
時間:9:00~24:00
※現在は新型コロナウイルスの影響で22:00閉店
休み:年中無休
電話:0563-56-2670
「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!
番組名:特集「地域の今」
地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。
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