この地域でも導入が進む「スマート農業」。ICTやロボット技術などを活用して、作物の品質向上や作業の効率化を実現する新たな農業のことを言います。
西尾市のJA西三河でも、平成26年にきゅうりのハウスで、ハウス内の環境をモニタリングする装置の導入をしたのをはじめ、これまでにさまざまな装置を導入して、農業のスマート化を進めています。
JA西三河で導入が進む「スマート農業」の今をお伝えします。
きゅうり部会からスタート
平成26年にきゅうり部会が試験導入した装置「あぐりログ」。温度や湿度、二酸化炭素の濃度がハウスにいなくても分かる装置です。これとは別に、あらかじめ設定した基準に近づけるようにハウスの環境を制御する装置も導入しています。
データは共有されていて、部会の織田和弘さんは「栽培管理に迷うとき、これまでは実際に他の人のハウスを見に行っていたが、システム導入後は何をしたのか分かるので、参考にしている」と話します。
広がるスマート農業
スマート農業は生産現場だけではありません。選果場で2年前から導入されているスマート包装機は、これまでより新鮮な状態できゅうりを袋詰めして出荷できる機械。きゅうりをカメラで計測し、等級や階級を決めて、指定の本数で袋詰めまで行います。
袋には生産地の情報やきゅうりのレシピなどを掲載しているSNSのサイトに飛べるQRコードも印刷することで、産地がみえる商品として販売できるようになりました。
いちごの生産現場でも
令和4年度から、きゅうりのハウスで培ったノウハウを活かすべく、いちごのハウスでもスマート農業が導入されました。中でもいちご用に独自に導入されたのが、出荷量予測をするためのカメラです。いちごの花が咲いたタイミングを記録し、2週間先の出荷量を予測することができます。
いちご部会 外山和広さんは、出荷量が多い時にはそれに合わせてスーパーに特売を組んでもらえると、農家もお客さんにも良いのではないかと感じているそうです。
農業とテクノロジーを組み合わせる
現在ではさまざまな部分で導入されているスマート農業のきっかけを作ったのは、きゅうり部会の下村堅二さんでした。元エンジニアの下村さんには、農業とテクノロジーを組み合わせるための様々なアイディアがあったと言います。
「自動化の技術にもいろいろあるが、ICTはインターネットに簡単につながり、スマートフォンでみんなが見られるという強みがある。だからこそできることを実現してきました」
スマート農業 今後の期待
スマート農業の導入でいちご部会の外山さんは、収量5%アップを見込んでいて、さらに増えていくことを期待しています。きゅうり部会の織田さんは、品質を上げるために、勉強する時間が持てるようになったと言います。
下村さんは、「最終的に決めるのは『人』。スマート農業を使って、人材がレベルアップした農家が育つということが一番大事だと思っている」と、これからへの期待を話してくれました。
(取材・撮影:杉浦和哲/リライト:石川玲子 2024年3月取材)
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