2023年3月に愛知県西尾市に開所した「デイサービスすこやか」。体を動かしたい人や要介護度が高い人など幅広い人がサービスを受けられるようつくられました。
この施設の特徴は、お寺の敷地内にあることです。施設の中だけでなく、お寺に行くために外に出ることが、利用者の息抜きになっているといいます。
そんなデイサービスすこやかを取材し、この地域での老後の過ごし方を考えます。
お寺の敷地内に「デイサービス」
2023年3月、西尾市に開所した「デイサービスすこやか」は、体を動かしたい人や要介護度が高い人など、幅広い人がサービスを受けられるようつくられたデイサービス施設です。
この施設の特徴は、お寺「祐正寺」の敷地内にあること。
お経を唱える際には、施設の利用者も一緒になって参加します。
また、利用者がお寺の行事に参加することで地域の人と交流する機会にもなっています。
「お経を読んでいると落ち着くね」と施設の利用者は話してくれました。
幡豆地区に新たに運動ができる環境を
デイサービスすこやかの管理者を務めるのは、祐正寺の住職である中村祐介さんです。
中村祐介さんの妻・中村深貴さんは、看護師やケアマネージャーとして働いていた経験があり、この地域の介護施設に課題を感じていたといいます。
通所リハビリ施設が吉良・幡豆地区にないと知った中村祐介さんは、妻とともに地元に運動ができる環境をつくることにしました。
みんなが過ごしやすい施設に
現在施設では、市内の人が通う「地域密着型通所介護サービス」を行っていて、利用者は訓練計画書に従って体を動かす「個別機能回復訓練」をすることができます。
また施設では、要介護度が高くこれまで遠方の施設に行っていた人も受け入れられるよう、車いすの人が利用できる座浴の設備や、寝たきりの人が入れる寝浴の設備もあります。
これだけ入浴設備が充実している場所は、通所施設では珍しいといいます。
お寺が 利用者の心の拠り所に
87歳の利用者は、これまで農作物を育てるなど活発に動いていたといいます。
「自分で大根やにんじん、豆類を育てていたが、辞めてデイサービスに入ることにしました。ここなら運動もしっかりできるしお風呂にも入れてもらえるから、デイサービスに来てよかったです」
男性がこの施設を選んだもう一つの理由は、お寺にきょうだいの墓があったからです。
きょうだいの近くにいられることが、利用者の安心につながっているようです。
「デイサービス×寺」で心も体もすこやかに
中村祐介さんに、デイサービスすこやかが目指す姿を聞きました。
「お寺で心をすこやかにしてもらうと同時に、デイサービスでは運動やスタッフとの交流などによって体もすこやかになってもらえる場所でありたいです」
デイサービスすこやかで過ごす利用者は、慣れ親しんだ地元だからこそ、積極的に活動したいという意欲が湧くのかもしれません。
(取材:近藤里奈 文:石川玲子/2023年5月取材)
デイサービスすこやか
住所:愛知県西尾市西幡豆町中村郷1番地2
電話:0563-77-0882
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