保育教諭が働きやすい環境づくりを　碧南市こども園ひまわり

特集
碧南市

2023年3月24日

保育教諭が働きやすい環境づくりを　碧南市こども園ひまわり

碧南市大堤町にある認定こども園ひまわり。2022年度にオープンしたばかりのこども園です。
ここでは、情報通信技術、いわゆるICTを活用し、スマホやタブレットなどのアプリで様々な業務を効率化しています。
ひまわりで働く保育教諭は「残業も少なくプライベートも充実できるので、子どもたちと元気に向き合えます」とICT化の効果を語ります。

コロナ禍に学校、企業、行政などで加速したICT化は保育業界でも導入が進んでいます。保育教諭がしっかりと子どもたちと向き合えるよう、業務の効率化に取り組む、こども園ひまわりを取材しました。

欠席の連絡もアプリで行う

朝の登園の時間。保育施設にとって、一日で最も忙しい時間です。欠席の電話が鳴り響く職員室…のはずが、こども園ひまわりではちょっと様子が違います。電話がほとんどかかってきません。朝の出席確認や欠席連絡など、保護者はスマホのアプリを通じて行います。そのため、欠席の電話がかかってくることは少ないのです。

登園した子どもと保護者は、機械にカードでタッチすることで、登園したことを記録します。保育教諭たちは電話対応に追われることなく、笑顔でゆったりと子どもたちを迎え入れています。

ICT化で子どもと関わる時間を確保

こども園ひまわりの園長、榎美衣さんにICT導入の狙いについて聞いてみました。「連絡帳が手書きだと、忙しいときに書くのは、保護者も教諭も大変です。しかしアプリを使えば、いつでもどこでも手軽に書き込めるので、時間短縮になります。保護者目線でも良いと思いますし、保育教諭も時間が作れるようになって、子どもたちと関わる時間が増えるし、事務時間も確保できるようになると思いました」

ひまわりで働く保育教諭は「残業も少なくプライベートも充実できるので、子どもたちと元気に向き合えます」とICT化の効果を語ります。

園庭での遊びの時間には、元気に走り回る子どもたちを保育教諭がスマホで撮影。子どもたちの様子を保護者と共有するためです。

お昼寝の時間になると、すやすやと眠る子どもたちの横で、保育教諭がスマホやタブレットで連絡帳を打ち込んでいます。

絵本や遊びの時間が増える

かつてはどの園でも手書きで行っていた作業ですが、全員の分を毎日手書きするのは大変な作業です。しかし、スマホやタブレットを使うことで手間も時間もかからなくなりました。

「月案や週案などの書類もパソコンで入力するので、時間内に終われます。その分、子どもたちに絵本をたくさん読んであげたりとか、手遊びしたり、歌を歌ったりという時間が増えます」と語る保育教諭。

保護者たちの反応は…

園からのお便りや一斉連絡にもICTを活用し、保護者はスマホでいつでもどこでも確認ができるようになりました。

保護者たちに、ICT化の感想を聞いてみました。
「連絡帳がスムーズに打ち込めるからいいです」
「朝の欠席の連絡も、子どもが二人いると朝なかなか時間が取れなくて。アプリ一つで連絡を入れられるのはすごく助かっています」
「園での子どもの様子も写真で見られるのが嬉しいです。主人も、どこでも見られるのもいいところです」

ICT化だけではなく働きやすい環境を目指す

ICTを導入しているひまわりでは、常勤の保育教諭の残業時間は月平均で４～５時間と短く、かつて保育業界で常態化していた仕事の持ち帰りもほとんどありません。
また、保育教諭の負担を減らすためにICT化以外にも様々な工夫をしています。例えば２階の保育室の隣にある会議室を保育教諭の制作や事務作業に開放しました。このおかげで保育教諭は１階の職員室まで戻らなくても空いた時間にすぐに作業にとりかかれます。

また、園長との面談やグループミーティングなど、保育教諭の声が通る風通しの良いこども園を目指しています。