ピーナッツ?落花生?豆?この写真をみて、様々な呼び方が出てきそうではありますが、愛知県内有数の産地である碧南市をはじめとする西三河の一部のエリアでは、これを「地豆(じまめ)」と呼ぶのを知っていますか?
「地豆?知らない」という人が意外に多いという衝撃の事実からスタートしたこの企画。夏になると、塩茹でした「地豆」が食卓に並ぶのが楽しみな筆者・樅山が、愛すべきソウルフード(と言っても過言ではない!)について、調査してきました。
※「近所のはなし」編集部調べです。「へ~」という気持ちで読んでいただけると幸いです。
あなたは何て呼ぶ?
生まれも育ちも碧南市の樅山は、これは「地豆」と信じて育ってきましたが、愛知県内に住むみなさんに聞いてみたところ、様々な返答が。
碧南:「地豆」「茹でてあります?だったら地豆です」「茹でた落花生とは絶対言わないです」地豆一択のようです。
西尾:「地豆」「茹でた落花生」「お店でお通しで出てくる、ふにゃふにゃのあれ」など呼び方は様々。
高浜:「地豆。ウマいですよね」「落花生。祖母は地豆と呼んでいます」
刈谷:「落花生。地豆とは言わないよ~」「茹でた落花生。地豆でも伝わりますけど落花生」
安城:「落花生」「茹でたの食べたことないです」
知立:「落花生です。地豆?聞いたことないです」「祖父母は地豆と呼びます」
半田:「地豆?初めて聞きました!塩茹でしたのも食べたことないです」
名古屋:「落花生。地豆?何ですかそれ?」
豊田:「塩茹では食べたことありますが、落花生です!」
碧南市民の「地豆率」は100%。西尾・高浜も認知率が高く、徐々に馴染みが薄くなる模様。西三河から海を挟んでお隣の半田市には「地豆」が伝来していないようです。
県内有数の産地!碧南市
7月上旬に収穫の最盛期を迎える「生ラッカセイ」。 生ラッカセイは、花が咲いた後に根のような子房柄が地面に向かって伸び、土の中で実をつけることから、碧南市などでは「地豆」と呼ばれています。
収穫された生ラッカセイは、一つずつ手作業でさやの部分をとりわけ、水洗いをして土を落とし、脱水機にかけたあとパック詰めされます。収穫作業は手作業というというところに驚きです。
地豆?落花生?生ラッカセイ?
様々な呼ばれ方をしている食べ物ですが、色々話をきいていくと、「収穫する時は生ラッカセイで、茹でたら地豆」という考え方が多そう。ちなみに、「炒ったものや煮たものは落花生」との認識も。とは言うものの、「地豆を茹でる」でも、もちろん地豆文化が根付いたエリアでは通じます。
パックで販売される際は「生ラッカセイ」「生落花生」「生地豆」などと表記されて販売されています。
愛すべきソウルフード「地豆」
僭越ではございますが、地豆を茹でて約50年、樅山・父のレシピをご紹介します。地豆シーズン中は、スーパーで買ったり友人の畑で収穫したりなどして、週1ペースで地豆を塩茹でしています。
地豆の塩茹でレシピ
1.大きめの鍋でお湯を沸かし、お湯の約1.5%~2%の塩を入れる(2Lの場合:30g~40g、3Lの場合:45g~60g)好みで加減してください
2.沸騰した鍋に、水洗いした生ラッカセイを入れる(強火)
3.再び沸騰したら中火にし、40~50分茹でる
4.味見をし、豆がやわらかくなっていたら火を止め、そのまま約10分置いておく(そうすることで、塩味がしっかり豆につく)
5.ザルにあげて完成
おいしく茹でるには?
おいしく茹でるポイントは2つ!
・塩加減は強めが◎
・火を止めてから、そのまま置いて、塩味をしみ込ませる
ちなみに、地豆を育てている友人は圧力鍋で約20分茹でているそう。冷凍保存も可能です。
夏限定の楽しみ
夏になると、居酒屋のメニューやお通しとして提供されることもある「地豆」。産直やスーパーに並ぶのは毎年7月上旬~8月下旬の約2か月間限定です。
子どもの頃から大好きな味ですが、何といってもビールと一緒に…が最高です!食べたことのない方は、ぜひ1度食べてみてほしい「塩茹でした地豆」。これからも、「地豆」として愛され続けてほしいなと思います。(取材・撮影:樅山香織/取材2024年7~8月)
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