数々のハンドメイドの中でも難易度の高そうなのが「レザークラフト」。「革製品なんてプロしか作れないでしょ」と思いきや、初心者でも素敵なアイテムが作れちゃうそう。
愛知県安城市にある「革工房Beans(ビーンズ)」では、キーホルダーや財布などの小物から、バッグといった大きなものまで手作りできる体験教室を行っています。色や金具などが種類豊富な中から選べるため、出来上がった作品はまさに唯一無二!早速手作り大好きライターが体験へ。
今回は、革製品の作り方に加えて、工程のポイントをまとめました。これからレザークラフトをやってみたいと考えているみなさん、参考にしてみてください。
※2023年2月取材・撮影、2023年10月店舗情報確認。お出かけの際は最新情報をご確認ください
■安城市のレザークラフト教室!「革工房Beans」
■材料や道具は簡単に入手可能!
■レザークラフトの制作手順
■お手入れも簡単♪
■革工房Beans詳細情報
1日体験受付中!安城市にある「革工房Beans」
愛知県安城市にある革工房ビーンズでは、レザークラフト作家の山本美保さんが革製品の製作・販売・教室を行っています。山本さんが型紙から製作した作品は、販売はもちろん、全て体験教室で作ることも可能。「こんなものが欲しい」というフルオーダーにも応え、1日2~3作品を製作しているそうです。
昔から教室に参加している生徒さんは「作りたいものができた時に作りに来る」という人が多いそう。体験教室は、子連れ参加もOKです。
「革製品って作れるんだ!」という感動がきっかけ
山本さんがレザークラフトを始めたのは、大学在学中。被服の勉強をしていた当時、とあるコンテストに応募したファッション小物の素材を「革」と書いたことがきっかけでした。
そのデザイン画は1次審査を通過し、実物を製作することに。当時はレザークラフトを見たこともやったこともなかったそうですが、教えてもらいながら作った際、「革製品って作れるんだ」と感動したことからレザークラフトをはじめたそうです。
道具はホームセンターや手芸用品店で入手可能
今回はロールペンケースを製作。早速取り掛かります。材料は革、ロウ付糸、ハトメとシンプル。道具は作るものによっても変わりますが、染料、打ち台、木槌、菱目打ち、コバ磨き、刻印、ハトメ用穴あけ工具、金具打ち具、ワックスなどはどんな革製品を作るにも大抵必要です。
体験教室へ参加する際は、手ぶらでOK。家でもやってみたいという場合、材料や道具はホームセンターやクラフト用品店で入手できます。
【工程1】いきなり一番の難所!「染色」
まずは革を好きな色に染めます。ビーンズでは20色+染色なしのナチュラルが選べます。まずここで思わぬ足止め。色選びにめちゃくちゃ迷うのです!後ほど使用する糸も色が選べるため、革との組み合わせによって印象がガラリと変わります。できれば最初に革と糸の色を選んでおいた方が無難です。
そしていよいよ刷毛で革を塗ります。が、これがなかなか難しい!染料を革へ染みこませるのですが、刷毛を何往復もするとその部分だけが濃くなっていくため、均一にするのに手こずりました。端から端まで、線を引くように順番に塗っていくとムラができにくいことに途中で気づきました。今から思えば、ここが最大の難関かもしれません。
【ポイント1】 革と糸の色は最初に決める。端から端までをひと塗りとして、むやみに塗り重ねない。
【工程2】革はカッターで切れます「裁断」
色を塗ったら乾かします。本来は自然乾燥で1日おいておくのがベストですが、時間がないのでドライヤーを15分くらい当てていきます。乾いたら型紙通りにカット。定規を当て、カッターを2回~3回往復させます。無理に力を入れて一気に切ろうとすると切り口がきれいにならないので、細かくキズをつけていく気持ちでOK。
【ポイント2】 革はカッターで切れる。何回もカッターを入れて少しずつ切る。
【工程3】迷わないことが一番のコツ「刻印」
続いて模様となる刻印を打っていきます。棒状の金属の先に数字や文字、絵柄の型が付いていて木槌でたたけばOKなのですが、これ、結構難しいです。
まず一つの刻印面積が広いものは跡がなかなか付きにくく、棒or刻印全体を等間隔の力で打っていく必要があるので、均一の深さに跡を付けるのが難しいのです。さらに、一度跡をつけてしまったら元には戻らないという緊張感…。そしてここでもどんなデザインの刻印を打とうか迷います。
【ポイント3】 一度刻印を打ったら、迷わずガンガン叩くこと!初心者は小さい刻印がベター。
【工程4】木槌は真上から使うのがコツ「穴あけ」
次に、ステッチ用の穴を開けます。フォークのように見えますが、これは「菱目打ち」という道具。打ち台の上に革を乗せ、穴を開けたい位置に菱目打ちを合わせたら上から木槌で叩きます。裏側へ少し貫通すれば大丈夫。穴を開ける位置はあらかじめ線を引いておくとよいでしょう。まず端に合わせて穴を開け、その後はひとつ前の穴に一本重ねて開けると、均等に穴が開けられます。木槌は真上から叩かないと、穴の大きさがマチマチに…。
【ポイント4】 菱目打ちは真上から叩く。ガイドラインを引いておくと真っ直ぐになる。
【工程5】針2本を使って糸を通す「縫製」
開けた穴に糸を通してペンケースの形に仕上げていきます。糸の両端に針を通し、ミシンのように縫っていきます。すでに穴が開いているので力はいらないし、自動的に同じ長さの縫い目ができるので、裁縫が苦手な人も大丈夫(たぶん)。1目縫うごとに糸を両端からキュキュッと引っ張り、きれいな縫い目に仕上げます。縫い終わりは3目ほど返し縫いをして糸を切り、ボンドで穴の中の糸をとめて完成。
【ポイント5】 1目ずつきゅっと引っ張り、縫い目をきれいに仕上げる。
【工程6】塗りすぎ注意!「コバ磨き」
そろそろラストスパート!革の断ち切り部分(コバ)を仕上げます。やすりで平らにならした後、染料をちょこっとつけてから糊を少しずつつけ、コバ磨きで磨きます。染料や糊をつけすぎると表面に染み出てしまうので、少しずつ慎重に。手で触ってみてツルツルしていれば大丈夫です。
【ポイント6】 くれぐれも染料や糊のつけすぎに注意!染料は筆の腹(筆の根本あたり)でぽんぽんと触る感じで。
世界で一つだけの革製品が完成!
あとはハトメをつけ、紐を通して結べば完成!世界に一つだけのロールペンケースができました!仕上げにワックスを薄く塗り、つやを出します。ここまでで約3時間。長いようですが熱中していたらあっという間でした。キーホルダーなど簡単なものなら2時間、バッグなどの大物は10時間以上かかることもあり、数日に分けて製作していく人もいるそうです。
小物だけでこの達成感、バッグができたらうれしくて毎日使ってしまいそう…。
首輪や各種アイテムカバーなど、何でも作れる
レザークラフトの良さは、なんといっても市販されていないものが手に入ること。こちらはリングピローならぬリングトレイと、ワンちゃん用の首輪です。他にも、カメラのレンズキャップ用ホルダーやストーブのハンドルカバーなど、「売ってないけどほしい」ものが作れます。
お手入れ方法はどうすれば?と聞くと「毎日使っていれば特に必要ありません」と意外なお答えが。皮脂がワックス代わりとなるからです。たまにしか使わない場合は、ワックスを塗る必要があります。汚れたら消しゴムでこすればOKですが、こすり過ぎると色が落ちる場合があるので要注意。オリジナルのレザーアイテムを手作りして、長く愛用してみませんか?(取材:河合春奈/2023年2月取材・撮影、2023年10月店舗情報確認)
革工房Beans(ビーンズ)
場所:愛知県安城市里町北大道寺45-11
営業時間:10:00~15:00、土日10:00~17:00 ※不定休
問い合わせ:beans.leathercraft@gmail.com
または公式インスタグラムDMより
公式HP
Instagram
体験教室は知立カルチャーセンターでも受付中
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