子どもが秋に夢中で拾うものといえばどんぐり。長さ2cm直径1cmほどの細長いものを思い浮かべますが、実はどんぐりにはいろいろな種類があり、形や大きさもさまざまなことをご存じですか?
さらにどんぐりを使った遊びや工作を楽しめるので、拾うだけじゃない楽しみも。今回は西尾市東幡豆町にある「愛知こどもの国」でどんぐり遊びを徹底取材!どんぐりの探し方や保存方法、さまざまなどんぐり遊びをご紹介します。
そこには、子どもだけじゃなく大人も魅了する楽しさが詰まっていました。
※2022年10月取材・2023年10月情報確認。お出かけの際は最新情報をご確認ください
どんぐりってそもそも何!?
どんぐりは秋になると、公園や街路樹のそばでたくさん落ちているのを見かけます。
「どんぐりは木の実の一つ。名前に『くり』とついていることからも分かるように、栗もどんぐりの一種なんですよ」と教えてくれたのは、愛知こどもの国でどんぐり遊びを教える嶋崎徹さん。以前は理科の先生だったそうで、今は訪れる人たちに自然とのふれあい方を伝えています。
どんぐりはブナ科の果実のことを呼び、かたい皮に覆われた種子なので、土に埋めておくとたま~に芽がでてくるのだとか。
きれいな帽子付きどんぐりを拾うコツとは?
愛知こどもの国ではアベマキ、スダジイ、コナラ、マテバシイ、クヌギ、シラカシ、クリ、アラカシのどんぐりが拾えます。
「とはいっても、僕らが知らないうちに新たな植物が生えていることもあります。鳥が木の実を運んできたりしてね」と話すのは、どんぐりの絵をすらすら上手に描く西岡明則さん。
どんぐりは毎年実りますが「当たり年」と呼ばれる年は特にたくさん実がなります。木から落ちてすぐのタイミングなら、帽子付きのきれいなどんぐりが拾えるそう。風にあおられて落ちることが多いので、台風の翌日などが狙い目!
色や形、大きさもバラバラで個性豊か!
こちらは愛知こどもの国で拾えるどんぐりの一部。左からスダジイ、シラカシ、コナラ、アベマキ、マテバシイです。
実単体で見分けるのは至難の技。帽子と呼ばれる(パンツと呼ぶことも?)部分の模様と合わせて観察すると、どんぐりの正体を突き止めることができます。
どんぐりの落ちている場所を見上げると、そのどんぐりが実る木があることも。葉っぱの形や色を観察してもよいかもしれません。並べてみると、どんぐりにも個性があってどれも可愛い!
この2つのどんぐり、違いがわかりますか?
突然ですがクイズです。写真のどんぐり、同じように見えますが実は違う植物なのです!どちらかがアラカシでどちらかがシラカシ。どこがどう違うのか、わかりますか?色や帽子の深さ、葉っぱなど...見分けるポイントはいくつかあります。
この2つは愛知こどもの国のとある場所で、二本並んでいるところを見ることができます。実物を見た方がわかりやすいかも!?園内をぜひ探してみてくださいね。
(クイズの答え 左:アラカシ、右:シラカシ)
どんぐりの保存は冷凍または煮沸!
拾ってきたどんぐりは、そのままにしておくと虫が出てきて驚愕する羽目に...。工作遊びに使うなら、適切な処理が必要です。穴があいているどんぐりはもちろんですが、穴がなくても小さな虫が中に潜んでいることがあるので、まずは洗って選別します。
水に浮くどんぐりは虫に食われているので捨てましょう。洗ったどんぐりは冷凍するか煮沸消毒して虫の駆除を。冷凍の場合は密封できるビニール袋に入れて1週間冷凍庫へ。煮沸なら水を入れた鍋にどんぐりを入れ、5分~8分ほど沸かします。
どんぐり遊び1:コマ&どんぐりカー
嶋崎さんにどんぐりを使った遊びや工作を教えてもらいました。まずは定番ともいえるどんぐりコマ。長く回るどんぐりコマを作るには、丸くずんぐりしたどんぐりを選びましょう。
帽子がついていた部分にキリなどで穴をあけ、つまようじや割りばしなどを刺せばできあがり。どんぐりカーは竹串をダンボールの切り口に見える穴に通し、両端にどんぐりを刺してタイヤ代わりにします。同じくらいの大きさのどんぐりを選ぶと走りがスムーズ。
どんぐり遊び2:どんぐり星人&どんぐりイモムシ
続いては森の妖精(?)どんぐり星人とどんぐりイモムシです。どんぐり星人は好きなどんぐりに油性ペンで顔を書きます。白い部分は修正ペンを使うと簡単。緑の傘になっているのは、実は松ぼっくりを加工して作ったもの。いっぱい作って大家族を作っても楽しい!
どんぐりイモムシは、アラカシやシラカシの帽子のてっぺんにキリで穴をあけ、輪ゴムを切ったものを通します。いくつもの帽子を重ねていき、好きな長さになったらゴムの先端を結んでできあがり。ちょっと曲げるとなかなかリアル!
いきもの観察BOOKを片手に自然散策
約100万平方メートルという、東京ドーム1個分の広さがある愛知こどもの国。「どんぐりマップ」(2023年版は準備中)や「いきもの観察BOOK(300円・税込)」を持って園内を歩き回ると、豊かな自然をより楽しめそう。いきもの観察BOOKは園内で観ることのできる植物や虫、鳥、動物などが写真付きで載っています。もしかしたら載っていないいきものを発見するかも!そんな時はぜひスタッフさんに教えてあげてくださいね。
また、愛知こどもの国のキャラクター「みどぽん」のA4ノートとボールペンのセット(330円・税込)も販売中!広い園内を散策しながら活用してみては。(取材:河合春奈/2022年10月取材・2023年10月情報確認)
愛知こどもの国
100万平方メートルの広大な児童総合遊園施設。愛知県政100年を記念してつくられた。 本物のSLを使ったこども汽車や大型遊具、広場などもあるため一日中楽しめる公園としてファミリー層に人気。2024年に開園50周年を迎える。
場所:愛知県西尾市東幡豆町南越田3番地
電話:0563-62-4151
時間:9:00~17:00(休業日は公式ホームページをご覧ください)