「子どもの気に入っているおもちゃが壊れてしまった!」
「自分がかつて遊んだおもちゃを、子どもや親戚にも楽しんでほしい!」
そんなとき、地域の「おもちゃ病院」があなたの心強い味方!「おもちゃドクター」たちが、なんと無料で、調子の悪いおもちゃを診断、治療してくれるんです。
今回は愛知県刈谷市にある「刈谷おもちゃ病院」を紹介。ベテランドクターに教わった、おもちゃの健康を保つポイントも教えちゃいます。
交通児童遊園内「刈谷おもちゃ病院」へ潜入
「直った~!」
修理、もとい治療が完了したおもちゃを受け取る子どもたち。ドクターもほっこり笑顔に。
やってきたのは、愛知県刈谷市にある「刈谷おもちゃ病院」。近隣住民にはおなじみの「交通児童遊園」管理棟の2階にあります。意外と知らなかった方も多いのでは?
元・技術者も初心者も得意を活かす「総合病院」
刈谷おもちゃ病院は、2007年、自動車部品メーカー「デンソー」のリタイア組を中心に結成。技術者のスキルを地域に還元したい!と始まったそう。
現在の会員は31名。元技術者だけでなく、初心者のメンバーも増えてきています。機械の修理が得意なドクター、細かな作業が得意なドクターなど、一人ひとりのスキルを活かしておもちゃの様々な不調を解決していきます。まるで総合病院みたい!
治療の過程も記録!信頼できるドクターたち
動くワンちゃんのおもちゃを治療していたドクターが、おもむろに取り出したのは...デジタルカメラ!「今から治療のために、パーツを分解していきます。元に戻すとき、中の部品の配置を間違えないよう記録しておくんです」。
大切なおもちゃも、安心して預けられます。
1. 受付で問診票記入&診断
受付から退院までの流れを教えてもらいました。
受付は、開院日(第2・4の土日)に、直接訪問します。対象は小学生以下の子どものおもちゃ。予約不要で、刈谷市と周辺地区の人が利用できます。
ドクターに症状を話しながら、問診票に必要事項を記入。その場でドクターが簡単な診断をします。基本的には入院治療です。
おもちゃを連れてくるときのポイント
★新しい電池を入れる!
付属品は外したほうがいいのかな?と思いがちですが...電池で動くおもちゃの場合は、すぐに動作チェックができるよう、電池を入れておきましょう。問診票の「付属品」欄を見て退院時にドクターと一緒にチェックするので、忘れる心配もありません。
★すぐに遊べる状態で
意外に多いのが、無線リモコンで操作するおもちゃの「リモコン」を忘れてきてしまう人。動作チェックに必須のアイテムなので、お忘れなく!
★説明書も準備!
正しい使い方がすぐ分かり、ドクターの診断に便利!最近のおもちゃは動きや操作が複雑な場合もあります。
2. 入院治療
受付を終えたおもちゃを、ドクターたちが治療します。今回は、取材担当が20年前に遊んだ「魚釣りゲーム」の治療の裏側を特別に見せてもらいました!
症状は「動かない」。ドクターが電池ボックスの中を見ると、ばねがさびついていました。ここが原因と踏んだドクターがサビを落とすと...再び動くように!内部ではなく、いま治療した電池ボックス部分が問題だとはっきり分かりました。
ドクターいわく、一度さびてしまったものは、そのあとサビを落としても再発しやすいそう。パーツを取り換える移植手術を提案されました。おもちゃがこれから歩む人生、...おもちゃ生(?)を大切にしているからこその意見!嬉しいです。
治療費は0円ですが、新しくパーツを取り付けたり、部品を入れ替えたりする場合には材料費(実費/100円~300円程度)が必要。状況に応じ、事前にドクターから相談があるのでご安心を!今回使ったばねは、合金の板と線を組み合わせた自作のもの!費用は100円でした。サイズを微調整し、はんだごてで取り付けて...みごと全快!
3. 退院
お迎えに行くタイミングは、刈谷おもちゃ病院 公式ホームページの「退院情報」からチェックできます。材料費が必要な場合は、その場で支払いを。
会社に戻った取材担当、家まで待ちきれず、一人ぼっちで魚釣りをしてみました。力強いモーター音とともにぐるぐる、ぱくぱく泳ぐ魚たち。姉たちと夢中になった幼いあの日の感覚がよみがえりました。この感動が帰ってきて100円...ありがたい!3歳の姪っ子と一緒に遊ぼうと思います。
おもちゃの健康を保つポイント
最後に、おもちゃの健康を保つポイントを教えてもらいました。
★遊び終わったらきれいにお手入れ
日々、汚れを取り除いておきましょう。やり方は説明書を参考に!
★電源オフ&電池を抜いて保管
電源を切るのはもちろん、できれば電池を抜いておきましょう。電池の特性上、電源が切れていても電流が流れ続け、消耗してしまいます。また、液漏れの原因にも。
頼れる味方!おもちゃ病院
ものづくりのスキルを活かして、地域の子どもたちを笑顔にする刈谷おもちゃ病院。その陰には、知識と経験に加え、おもちゃ一つひとつの「今まで」と「これから」に向き合う、丁寧な仕事ぶりがありました!
「念のためお伝えすると...私たちおもちゃドクターにも修理のできないものもあります。しかし、どんなおもちゃも、まず実際に見て診断します!気軽にお越しくださいね」とドクター。おもちゃの不調で困ったときは、訪ねてみてはいかがでしょうか?(取材:鶴見弥耶/2021年7月取材)
刈谷おもちゃ病院
場所:愛知県刈谷市神田町3-47-1 刈谷市交通児童遊園 管理棟2階
開院日:原則第2・第4の土曜・翌日曜
刈谷おもちゃ病院 公式ホームページ「開院日カレンダー」
開院時間:10:00~15:00
対象:小学生以下の子どものおもちゃ(一部取り扱わないもの・修理不能の場合もあり)
治療代:無料(材料・部品交換は実費/100円~300円程度)
電話:0566-27-6466(開院日のみ)
刈谷おもちゃ病院 公式ホームページ
工作教室も開催!
刈谷おもちゃ病院では、ものづくりの楽しさを子どもたちに伝えようと、工作教室を開催!年に数回、夏休み期間を中心に行われます。
工作教室の年間スケジュール
会場:夢と学びの科学体験館
愛知県西三河6市のおもちゃ病院リスト
安城おもちゃ病院
場所:安城市内4か所(二本木公民館・堀内公園・作野公民館・安祥福祉センター)
日時:安城おもちゃ病院 公式ホームページ「活動場所・時間」をご覧ください
碧南おもちゃ病院
場所:東部児童センター(碧南市)
日時:第1・第3土曜 13:00~15:00
碧南おもちゃ病院 公式ホームページ
西尾おもちゃ病院
場所:西尾市内5か所(道の駅岡ノ山・中央児童館・一色児童センター・図書館本館・総合福祉センター)
日時:西尾おもちゃ病院 公式ホームページ「スケジュール」をご覧ください