来たる2024年2月11日(日) 愛知県西尾市で「鳥羽の火祭り」が行われます。燃え盛る炎の中に男たちが果敢に飛び込んでいく姿から、「天下の奇祭」と称されることもあるのだそう。
そんな鳥羽の火祭りって、そもそもどんな祭りなの?何時からが見どころ?アクセス方法は?など、気になるポイントをまとめました。
鳥羽の火祭りってどんなもの?
鳥羽の火祭りとは、愛知県西尾市の鳥羽町に古くから伝わる祭りです。 海に入って身を清めた男たちが、 燃えさかる巨大な2基のたいまつから神聖な木と縄を競って取り出し、一年の作柄や豊凶を占います。
1200年以上もの歴史があり、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
祭りの中心を務める「神男」
この祭りは、鳥羽の男たちが、西と東2つの地区に分かれて競い合うもの。 祭りの主役となるのはそれぞれの地区から選ばれた「神男」です。 「神男」に選ばれることはこの町の男達の名誉。
ことし2024年は、西(福地)の神男を重富涼太さん、東(乾地)の神男を野口翔太さんが務めます。
神男の祭りにかける思い
涼太さんは5回目の火祭り参加、翔太さんは去年初めて参加したということ。2人とも、同級生や近所の方に声をかけられたことで、祭りに参加するようになったといいます。
涼太さん(写真左)に意気込みを聞くと、「祭りに向けた準備に取り組んでいきたい。西はいままで勝ってきているので今年も勝てるように頑張りたい」 翔太さん(写真右)は 「自分自身が成長できるような祭りにしたい。伝統ある祭りが、盛り上がることに貢献できるように頑張りたい」 と、2人とも熱く語ってくれました。
1月中旬からは、祭りで使用する「すずみ」と呼ばれる松明の材料集めもはじまり、2人は神男として率先して準備を進めていきます。祭りを通じた神男の成長にも目が離せません。
15:00~ 身を清める禊
祭りでは、暗くならないうちに鳥羽神明社へ出向くのが吉!境内がいっぱいになる前に場所を確保し、祭りのもう一つの見どころである「禊(みそぎ)」を観賞しましょう。
禊は、極寒の海に入って身を清める儀式。男たちはふんどし一枚で15時ごろ鳥羽神明社を出発し、15時30分ごろから鳥羽海岸で身を清めます。見物する多くの人も歩いて海へ向かいます。関係者からは「遠くからご覧になる方は双眼鏡などあってもいいかもしれません」とのアドバイスをいただきました。
神事までの過ごし方は...
「すずみ」と呼ばれる大きなたいまつに火がともされるのは20時ごろ。しばらく時間が空きます。
明るい時間のうちに楽しみたいポイントは、鳥羽神明社の境内にたたずむ大きなすずみや、海と山に囲まれた鳥羽の風景。自然豊かなエリアで、カメラ好きな人にもおすすめです。また、境内にはたくさんの屋台も並びます。
20:00~ すずみに点火
19時30分ごろから清めの儀式がはじまり、20時ごろになると、鳥羽神明社ですずみに火がともされます。この火は、古式ゆかしく火打ち鎌(ひうちがま)に火打石を打ちつけて起こしたもの。
神男をとりまく奉仕者たちが、はしごに登っていって火に包まれながら、すずみを揺らします。あっという間に火が燃え広がり、毎年20分ほどで終わりを迎えます。その間、息をつく間もありません!火の粉が飛ぶこともあるので、溶けやすい素材の服には穴が開いてしまうかも。気を付けてくださいね。
祭りの衣装は、のぼり旗!?
神事の時に男たちが身にまとう白と黒の装束。実は、お宮さんの古くなったのぼり旗を使って作られているそう。なので、一人一人柄が違います。男たちがこの装束を身にまとって巨大なたいまつに飛びかかる姿が猫に似ていることから、「ネコ」と呼ばれているそうです。
ちなみに、祭りが終わったら燃え残りを持ち帰ることもできます。「燃え残った竹で箸を作って食事をすると歯の病気にかからない」といわれているんですよ。
炎の「気」が保たれたパワースポット
ちなみに...ここまで紹介してきたように、火祭りとして有名な鳥羽神明社ですが、 実はいわゆる「パワースポット」としても有名なのだとか。 祭り以外でも境内には炎の"気"が保たれていて、厄払い、人間関係修復や恋愛成就などにご利益があるのだそうです。
拝殿には、かわいらしいハートの絵馬やピンクの刺繍の入ったお守りなども。 祭り当日も授与があります。
鳥羽の火祭り
日時:2月11日(日)15:00ごろ 鳥羽海岸で「禊」 / 19:30ごろ 清めの儀式 / 20:00ごろ すずみに点火
場所:鳥羽神明社(愛知県西尾市鳥羽町西迫89)
アクセス:電車・名鉄「三河鳥羽」駅より徒歩10分(※鳥羽神明社に駐車場はありません。周辺駐車場は混み合うため、電車がおすすめ)