こちらの提灯、何に使うものなのか知っている方いますか?1年の中で、ある時期にしか使われない、いわば、幻の!?(大げさすぎ!?)提灯なのです。地域によっては、存在自体を知らない人もいるという...。しかし、われらの愛知県西三河地域では、多くの人が見覚えあるのではないでしょうか??特に、高浜市、碧南市、西尾市の方!?
ということで、近所のはなし編集担当・角谷が、その謎を調べてきました!碧南生まれ碧南育ち。35歳の角谷はもちろん!見た瞬間にこの提灯が何なのか分りました!(取材・撮影:2019年8月、2023年8月商品価格を更新。肩書きは取材当時のものです)
永田や佛壇店さんに突撃
やってきたのは、こちら!仏壇、墓石の専門店「永田や佛壇店・碧南店」(場所:愛知県碧南市栄町2-115 / 電話:0566-46-7610 / 営業時間:10時~18時 / 定休日:水曜日)。
ぼくは、子どものころ、この提灯をお盆のお墓参りに持って行っていました。そして、花と一緒にお墓に供えてきていました。でも、ごめんなさい...。なぜ、そのようにしていたのか理由は分からず。ということで、ここに聞けば理由が分かるはず!突撃取材してみました!
教えて!近所のお盆の風習!
店内に入ると、いきなり、幻想的な光を放つ提灯がずらり!こちら、お盆の時に仏壇のまわりに供える、その名も「盆提灯」。
ちなみに、この「盆提灯」。お盆の時期に仏壇のまわりに置くのですが、なぜなのか分りますか?お盆に戻ってくるご先祖様に自分の家の場所を知らせるため、目印にするためといわれているそうですよ。
懐かしの「お盆の提灯」を発見!
発見!!!!こちらです!分かりますか?この赤というか、ピンク色っぽい色と緑色のグラデーションに花がデザインされたこの提灯。懐かしすぎます!!
ぼくが子どものころは、ろうそくで火を灯して家からお墓まで持っていっていました。ほんのり赤っぽい灯りとなり、お墓、街中がなんか幻想的な感じになります。ぼくの地元では、大体、子どもが嬉しそうに提灯を持って行っていました!
お盆の提灯はご先祖様のため!?
ではでは、この提灯は、どんな意味があるのか?一体、何なのか?永田や佛壇店・碧南店の店長代理・小幡敦美さんに詳しく教えてもらいました。
「ご先祖様がお盆に帰ってくる際の目印となる『むかえ火』の役割だと思います。ご先祖様は、8月13日の夕方にこの世に戻ってくるといわれています。13日の夕方、この提灯に灯りを灯してお墓に行き、その灯りをたよりに戻ってきたご先祖様を連れて一緒に家に帰る」。ちなみに、小幡さん自身は名古屋出身のため、働くまでは全く知らなかったそうです。
「ほおずき提灯」というみたい
通称「ほおずき提灯」というそう。お盆のときに、仏壇、お墓に供えられる植物「ほおずき」からとられているとのこと。ちなみに、永田や佛壇店・碧南店では6寸サイズで440円(※2023年8月時点)でした。様々な業者がつくっているそうですが、デザインは同じみたい。
使われ方も様々で、お墓に供える方、自宅に飾る方、など。分かっていることは、愛知県、特に、この西三河地域に広く残る伝統的なものということぐらい・・・。
お盆の提灯は三河地域に残る風習!?
このように持ち手がついていて、子どもでも持ちやすいようになっているのが特徴。愛知県内に多くの店舗のある永田や佛壇店でも、多く売れるのは、岡崎、高浜、西尾など西三河地域だそうで、おじいちゃん、おばあちゃんが孫のために買いにくることが多いとのこと。
取材したこの日も、碧南市内に住む方が、お盆に帰省する、ひ孫のために買いにきていました。子どものころ、火を灯してもらったこの提灯を持つのが嬉しかったんですよね。思い出します。
ホームセンターでも、もちろん販売!
2019年8月撮影
ちなみに、西三河地域では、この時期になると、ホームセンターやショッピングセンターなどでも「ほおずき提灯」が陳列されるそう。ということで、やってきたのは、「DCM 碧南店」(場所:愛知県碧南市弥生町5丁目46 / 電話:0566-43-5221 / 営業時間:9:30~20:00 / 定休日:1/1~1/3)。
ぼくもそうなんですが、碧南人は、カーマにいけば、日常品は何でも揃うと勝手に思いこんでいます。(ぼくだけだったらすみません...笑)。想像通り、お目当ての提灯は、店内に入って早々に発見しました!!
多く売れるのは、やはり...西三河
2019年8月撮影
こちらでは、「手持ち提灯」(250円)という商品名で販売されていました(※2023年8月時点)。店長の杉浦将治さんは豊田市出身で、この提灯の存在すら知らなかったそう。しかし、碧南店の店長になってビックリ!!売れるわ、売れるわ笑。碧南店では、100個ほど売れるそうです。
愛知県を中心に多くの店舗を構えるカーマですが、この提灯が売れるのは、西三河の店舗がほとんど。特に、西尾、碧南エリアが多くなっています。ちなみに、名古屋にも10店舗ほどありますが、そちらではほとんど売れないそうです!
お盆の風習は地域ならでは...
「ほおずき提灯」。調べてみると、愛知県西三河地域を中心に伝わる伝統。特に、高浜、碧南、西尾など、南部地域に浸透している。刈谷や安城、知立市民では知らないという方も。さらに、若い世代を中心に知っているという方が減っている。
なぜ、この地域に限定されているのか?比較的、お墓が自宅の近くにあるということも関係しているのかもとのこと。歩いて行ける場所にお墓があるからこのような風習を行うことができているのかも...。お盆でお墓参りに行った際は、ちょっと気にしてみてみてくださいね。(取材・撮影:角谷佑希/2019年8月取材、2023年8月商品価格を更新)