花見だんごやみたらしだんご、あんだんご、きな粉付きなど、ちょっと小腹が空いたときに食べたくなる「だんご」。
全国どこにでも昔ながらのだんご屋さんがありますが、愛知県碧南市でだんご屋さんといえば?と聞いて必ず名前が挙がるのは「辰巳だんご」。出来立てのだんごは柔らかくてもっちもち。特に花見だんごは3日間も柔らかさを維持しているそう。だんごを焼く器具の貸し出しまでしているという辰巳だんごさんに、おいしさの秘密や素材へのこだわりをお聞きしました。
赤いのれんが目印の「辰巳だんご」
名鉄碧南駅から車で5分の位置にある「辰巳だんご」。昭和46年創業のだんご卸販売店です。一方通行の道を進むと…ありました。赤いのれんが目印です。駐車場は道を挟んだ斜め向かいにあります。
コロナ禍前までは卸だけを行っていましたが、2020年からは店頭販売もスタート。新聞や口コミで徐々に工場直売のことが広まり、ご近所のリピーターさんはもちろん、遠方からやってくるお客さんも多いそう。辰巳だんごの素朴な味わいが、老若男女を問わず好まれています。
3日経っても柔らか「花見だんご」
花見だんご(1本)70円・税込
春だけのお楽しみ「花見だんご」は、岡崎公園、刈谷市の亀城公園、半田市の雁宿公園など愛知県内の花見の名所で販売されています。岡崎公園の『ひょうたんや』の名物・巨大花見だんごも、実は辰巳だんごが製造しているとか。
辰巳だんご製の花見だんごの特徴は、何といってもその柔らかさ!賞味期限は3日間で、時間がたってももちもち柔らか。さぞかしスゴイ秘伝の技があるに違いない…と伺うと「米粉と上白糖の割合で柔らかさを保てるんです。特別なことは何もしてないよ」と店主の高須恒彦さん。花見だんごは2月上旬からGWまでの期間限定販売です。
※高須さんの「たか」ははしごだか
甘辛バランスが絶妙な「みたらしだんご」
みたらしだんご(1本)80円・税込
こちらは焼きたてほやほやのみたらしだんご。店頭販売では一番の人気です。三色だんごよりも1つのだんごが小さく、串に5個刺さっています。注文すると、その日の朝につくっただんごをその場で焼いてくれます。こちらも柔らかく、ちょっと焦げ目のついた香ばしさと、甘辛バランスが絶妙なたれが絡み合い…あっという間にペロリ。
みたらしだんごの賞味期限は当日。米粉と上白糖と、三色だんごと素材は変わらないのですが、その割合が異なるため、味や食感が変わってくるのだとか。
だんご製造機で毎日製造
ちょっと年季の入ったこちらの機械は「だんご製造機」。3個、4個、5個のだんご製造機がそれぞれ稼働しています。丸めただんごを一つずつ串に刺していく機械かと思いきや、板状のだんご生地を型で挟むと、一気に5個連なっただんごが出来上がり、同時に串に刺すという仕組みなのだそう。
早朝5時頃から仕込みが始まり、だんご製造機で製造。朝8時には各イベント会場やお店へと運ばれて行きます。
昭和感たっぷり!おいしさを保つだんごケース
こちらも年季の入った「だんご保存ケース」。1箱に100本入れておくことができます。このまま各地のイベント会場やお店に運ばれ、夜になったら工場へ戻ってくる…という仕組みです。湿度を嫌うだんごにとって、程よく水分を吸収する木製箱はおいしさを保つ絶好のキャリーケース。工場や倉庫に200箱以上あるそうです。
2代目となる高須さんにだんご作りで大切にしていることをお聞きしました。「特にないんだけど…作り置きはしないことかな?気温と湿度でちょうどいい水の量が変わってくるので、手を抜かずやるだけですね」と謙虚に話してくれました。
あんこ、きな粉のだんごもまた違った魅力が
(左から)あんこだんご(1本)100円、みたらしだんご(1本)80円、きなこだんご(1本)90円 ※全て税込
店頭販売しているだんごは他にも種類があります。「あんこだんご」には、自家製粒あんがたっぷり。北海道産小豆を使用し、団子の甘さとのバランスを考えながら炊いているそうです。
「きなこだんご」のきな粉は北海道産の大豆を使用。こちらもだんごと一緒に口に入れた時にちょうどいい甘さになるよう、きな粉と砂糖の配合を工夫しているそう。どれも国産素材にこだわっています。1本から注文できるのもうれしいですね。
碧南っ子が慣れ親しんだ味わいの「五平餅」
五平餅(1本)150円・税込
辰巳だんごでは、五平餅もいただけます。焼いてもらうと、パチパチとした音と共に香ばしい香りがふわり。どろっとした特製ダレは、しょうゆをベースに、味噌や生姜、クルミ、ゴマをブレンドしています。しょうゆは碧南産。甘すぎず辛すぎず、こちらも絶妙な味のバランスです。
焼き上がるのに少し時間がかかるので、電話予約しておけば到着時間にすぐ受け取れてスムーズ。だんごも電話予約可能です。
誰でもだんご屋さんになれる!
夏祭りや文化祭、運動会などのイベントや、バザーなどで模擬店をしたい時、辰巳だんごではだんご焼き器具のレンタルも行っています。焼き台、たれ受けのセットで300円(税込)。焼く前のみたらしだんご(たれ付き、価格は要問合せ)を注文(何本でもOK)すれば、誰でもレンタルできるのでおすすめです。プロパンガスはご自身でご準備を。
さらに最近はBBQの時に焼いて食べる人も多いそう。熾火できれいに焼けるので、デザートに焼きたてのみたらしだんごを楽しんでみては?
(取材:河合春奈/2023年4月取材)
辰巳だんご製造本舗
場所:愛知県碧南市志貴町1-25
電話:0566-41-2030
営業時間:10:00~15:00(店頭販売)
休み:火曜、毎月3日
駐車場:道路を挟んだ斜め向かい側に4台
辰巳だんご公式サイト