
春の気配とともに登場する桜餅。西三河で桜餅といえば道明寺の桜餅を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
焼き皮の桜餅は見かけることが少ない印象ですが、刈谷市にある「常川屋 刈谷店」は、なんと道明寺と焼き皮、2種類の桜餅を提供している和菓子屋さんです。桜餅のアレコレについて、聞いてみました。
※2025年2月取材・撮影。お出かけの際は最新情報をご確認ください。
もっちりとしたつぶつぶ食感と桜の香りが美味
桜餅は、道明寺と焼き皮という、材料も見た目も異なる2種類のバージョンがある春の和菓子です。
一般的に、関西では道明寺、関東では焼き皮が広まっており、西三河エリアはもちろん、愛知県では道明寺桜餅を売っているお店が多いのではないでしょうか。
道明寺桜餅は、もち米を原料とする道明寺粉を使って作られており、お米のつぶつぶ食感が特徴です。
老舗和菓子屋「常川屋」で、両方の桜餅を発見!
名鉄・刈谷市駅近くに店舗を構える「常川屋 刈谷店」では、なんと焼き皮と道明寺、両方の桜餅を販売しています。
創業は明治43年という常川屋は大府本店、半田店もあり、地域に親しまれてきました。季節の和菓子やまんじゅう、赤飯など、商品のラインナップはなんと100種類以上。
贈り物から自分用のおやつまで、いろんな目的で選ぶことができます。
素材の風味を生かした、余韻のある甘さが特徴
刈谷店店長の加藤信昭さんに、常川屋の和菓子のこだわりを聞いてみると「甘さです」。「甘さ控えめ」を誉め言葉とする風潮もありますが、常川屋では、お菓子である以上、甘さを感じることが大切だと考えています。
その上で、くどくならない、余韻に心地よさを感じられるような和菓子に仕上げているそうです。
桜餅の疑問① どうして春しか作らないの?
桜餅に関する疑問を、加藤さんにぶつけてみました。常川屋では、道明寺の桜餅はお正月を過ぎてから、焼き皮の桜餅はひな祭りを過ぎてから売り始め、ソメイヨシノが咲き終わるころまで販売するそう。
「和菓子は季節感を大事にしているので、桜餅は桜の季節に味わってほしいです」と加藤さん。桜が終わったら、柏餅など他の和菓子を楽しみましょう。
桜餅の疑問② 桜の葉っぱは食べる?食べない?
しばしば論争が巻き起こる「桜餅の葉っぱは食べるべきか否か問題」。
この問題を加藤さんに聞いてみると「食べる人のお好みです」。常川屋の桜餅に使われている桜の葉は、柔らかいものを選んでいるので、そのまま食べても葉っぱが邪魔しないとのこと。また、はがして食べる派のために、道明寺の桜餅も葉をはがしやすい工夫がなされているんだとか。桜の香りは桜餅本体に移っているので、はがして食べても風味が感じられます。
ちなみに加藤さんご自身は「はがして食べる派。桜餅自体の食感を楽しみたいので」とのことです。
桜餅の疑問③ なぜ両方売っている?
焼き皮桜餅を作り始めた経緯について聞いてみました。
「もともとは道明寺の桜餅だけを販売していましたが、20年ほど前にお試しで作ってみた焼き皮の桜餅を販売したところ、関東から引っ越してきた方などに好評だったので、作り続けることになった」とのこと。
関東出身者にとっては、焼き皮桜餅を入手できる貴重な和菓子屋さんだったのかもしれません。
焼き皮桜餅を実食!焼き皮生地がもちもち~
焼き皮桜餅未経験の筆者(岐阜県出身、愛知県在住)が、初体験となる焼き皮桜餅を食べてみました。
食べる前は「どら焼きみたいな感じかな?」と思っていましたが、桜の香りが漂い、生地がもちもちしていてどら焼きとは全然違う!道明寺の桜餅とも全くの別物です。中のこしあんとのバランスも良く、混然一体となったおいしさを感じます。
焼き皮桜餅未経験の人は、ぜひトライしてみて。(取材:河合春奈/2025年2月取材)
常川屋 刈谷店
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