碧南市はトウモロコシの県内有数の産地です。多く栽培されている中でも、「メロンより甘い」と話題を呼んでいるのが愛知県碧南市の「武ちゃん農場」で作られる「にっこりコーン」です。農場6代目の杉浦武昭さんは、味来(みらい)やサニーショコラなど、糖度16度以上の甘いトウモロコシを生産しています。
甘さの秘密は?どこで買えるの?生でも食べられるの?近所のはなし取材班が、おいしさのこだわりを徹底取材してきました!(2023年6月取材・撮影/2024年6月更新)
ブランドトウモロコシ「にっこりコーン」って?
武ちゃん農場で作られているトウモロコシ・にっこりコーンは「メロンより甘い」がキャッチフレーズ。糖度16度以上の甘さと、シャキシャキ食感が自慢です。
武ちゃん農場では、6月下旬まで「味来(みらい)」を、それ以降は「サニーショコラ」という品種を出荷しています。
杉浦さんはトウモロコシのほかにも、にんじんの「ハッピーキャロット」、玉ねぎの「玉笑ちゃん」を生産しています。
武ちゃん農場の野菜作りは“笑顔”がテーマ。力作業の収穫から選別作業、そして直売所のスタッフまで、働く人全員が常に笑顔を絶やしません。
こだわりが生んだ甘さとおいしさ
にっこりコーンの収穫は、日の出とともにスタートします。トウモロコシが日中に蓄えた水分は、夜の寒さの影響を受けて糖に変わるため、甘さのピークを迎える早朝に収穫するのがベストタイミング。
夜明け前、一番冷え込んでいる状態の畑に繰り出し、手作業で収穫を行っていきます。収穫はまさに職人技。杉浦さんたちは、皮の上からそっと触れただけで、そのトウモロコシがおいしく成長しているかどうかがわかるそうです。
収穫したら…とにかく早く冷やす!
収穫が終わると、急いで倉庫に戻り、トウモロコシに水をかけて冷却。その後は10度以下に設定した巨大冷蔵庫の中に運び入れて、さらに冷たい状態で保管します。杉浦さんによると、トウモロコシは収穫されると熱を発し、甘さがどんどん落ちていくんだそう。
一方で、水分を多く含んでいるため、冷凍してしまうといわゆる「冷凍焼け」状態になり、せっかくのみずみずしさが失われてしまうんだとか。冷たくすることで、鮮度と甘さを保っているんですね。
おいしいトウモロコシを長く出荷するために
武ちゃん農場の畑に植えられているトウモロコシには、茎の上に生えている「雄穂」がありません。トウモロコシの天敵である害虫・アワノメイガが卵を産みつけ、害虫被害の元になってしまうことから、武ちゃん農場では、今年から受粉作業後に雄穂を一つ一つ手作業で切り落としています。「切っちゃえば虫がいなくなるし、消毒も減らすことができる。みんな、面倒くさがってやらないんですけど…。切ったおかげで、今年はものすごく虫が少ないんです」と杉浦さん。
いいトウモロコシを出荷するためのこだわりはほかにも。武ちゃん農場の畑は、碧南市内に全部で約50か所。それぞれの土の状態を見ながら、常にベストタイミングで収穫できるよう、種をまく時期を少しずつずらして栽培しています。そうすることで、一番おいしい状態のトウモロコシを2か月の長期間にわたって出荷できるんです。
父・武次さんの背中を追って
子どものころから野菜を育てている父・武次さんの背中を見てきた杉浦さん。農場を継ぐ前は、バンド活動に精を出したり、プロバスケ選手を目指していたり…さまざまな挑戦をしてきました。そんな杉浦さんを、武次さんは「なんでもやっちゃえ」「後は俺に任せておけ」と笑顔で見守ってきたそうです。
「農家を継いでほしい」と言われたことは一度もありませんでしたが、武次さんと過ごすうちに自然と就農を決意。
「自分の人生で一番のラッキーは親父の子どもに生まれたことです」と話します。「武ちゃん農場の1番のファンは僕なんです。親父のいいところを伝えたいと思って、頑張っています!」。
その日の朝に採れた新鮮トウモロコシを販売
倉庫には直売所も併設されています。その日の朝採れトウモロコシをたっぷり袋に詰めて販売。サイズにより本数は異なりますが、6~10本で1,500円の大きな袋から、大きさによって2~3本500円のお手軽セット(ともに税込)、さらに不揃いなトウモロコシを食べやすくカットした「SDGsセット」も。朝8時30分のオープンと同時に、お客さんが続々来店!用意していたセットが飛ぶように売れていき、直売所のスタッフさんは大忙し。中には50本以上購入していくツワモノも。休日には関東や関西から足を運ぶ人もいるそうです。
杉浦さんは「トウモロコシの甘さを味わってもらうためにも、クーラーボックスの持参をオススメします!」と呼びかけていました。
にっこりコーンの味は…甘さにびっくり!
杉浦さんによると、おいしいトウモロコシの特徴は粒がぎっしり詰まっていて、かつ真っすぐ1列にそろっていること。にっこりコーンの皮をむくと、みずみずしい粒がずらり!
トウモロコシの食べ方と言えば、茹でたり、蒸したり、焼いたり…。一度火を通して温かいものを食べるイメージがありますが、にっこりコーンは生のまま冷やして食べるのがベストなんです。特に甘いと言われている根本から食べてみると、粒の一つ一つからジューシーな甘い汁が飛び出してきて、口いっぱいに広がります。シャキシャキとした食感は、採れたてならでは!
野菜作りを通して笑顔を届けたい
直売だけではなく、ふるさと納税やネット販売を通じて、全国にファンを増やしつつある武ちゃん農場。実際に食べた人から寄せられる感想を見ることが、なによりもうれしいそうです。
今後の目標は、化学肥料などによって痩せてしまった農地を活性化させること。「できるだけ農薬や化学肥料を減らして、地面が持つ力を上げていきたい」という杉浦さんは、微生物で発酵させた堆肥を使って土を有機化させる取り組みを行っています。「甘くて、うまみのあるトウモロコシを作れれば。そこを目指しています」と声を弾ませました。
メロンより甘いトウモロコシ、ぜひ一度味わってみては。(取材:安藤香奈美/2023年6月取材・撮影、2024年6月最新情報に更新)
武ちゃん農場
場所:愛知県碧南市東浦町5-60
直売所の営業時間:8:30〜12:00まで トウモロコシの直売は6月3日~7月31日まで(天候による)
休み:火曜
電話:090-7698-9293
武ちゃん農場公式ホームページ
公式Instagram
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