今日のランチタイムは、何か手軽なものを食べたい気分…というときに最適なのがおにぎりですよね。色んな具材やバリエーションが楽しめるおにぎりは、今では専門店ができるほど人気を集めている、軽食の代表格です。
ところで、愛知県知立市の知立駅近くでは、知る人ぞ知るおにぎりが販売されています。なんと150年以上の歴史をもつお米屋さんの手作りなのだそう。米はもちろんのこと具材やのりにもこだわったおにぎりは絶品とのこと。気になるおにぎりの味や種類、販売のきっかけ、知立市民に長年愛されるお店について詳しく取材しました。
明治初期に創業!お餅とお米の専門店
名鉄知立駅から徒歩5分の場所にある「太田屋米穀店」。お店に入らなくても商品が買える店頭カウンターを覗くと、5代目店主の太田朱美さんが明るくお出迎えしてくれました。
なんと明治初期に創業したそうで、「私のお祖父さんの祖母が餅を歩き売りしたのが始まりと聞いてます。少なくとも150年以上お店は続いていますね」と太田さん。戦後からは精米の販売も始め、今ではお餅や和菓子、「炊き込みご飯」などのご飯物も購入することができます。
毎日売り切れる安くておいしいおにぎり
おにぎり 各120円(税込)
地域の人のランチタイムを支える人気商品・おにぎりの販売が始まったのは2019年のこと。まずはおにぎりに合うお米を探し、噛むほどにほのかな甘みを感じる優しい味わいのものを選びました。
また、握り方やお米の炊き方も研究し、ふっくらと炊きあげたお米を絶妙な力加減で握ることで、形を保ちつつ柔らかい食感のおにぎりを完成させたのだそう。
毎朝手作りするおにぎりは、1日に30個ほど販売、予約も30個までで依頼が可能です。
おにぎりはのり・お米・具材すべてがマッチ!
おにぎりは「鮭」「しぐれ」「昆布」「梅」「赤飯」の5種類。一番人気の鮭は、ほどよい塩味がポイントなのだそう。ファンも多い「しぐれ」は、甘辛い味付けのアサリがお米によく合う一品です。
名脇役であるのりは、時間が経ってしっとりした時に、よりご飯との相性がよくなるものを使用しているとのこと。のり・お米・具材がお互いの良さを高め合うことで、素朴ながらも絶品のおにぎりを生み出しています。
焼いてもOK!4種類の味が楽しめるあんこもち
あんこもち 4個入り480円(税込)
作り方も形も創業当時から変わらない「あんこもち」。細長く食べやすい形のお餅は、西三河では馴染み深い形なのだとか。弾力のあるお餅の中には、太田さんのお母さんである89歳の先代が作る優しい甘さのあんこが詰まっています。ちりゅっぴの焼き印がキュート!
種類は4つ。販売当初からある「白」「よもぎ」のほか、ほのかな甘みと苦みが特に男性に好評という「キビ」、焼いて食べるのがおすすめの「玄米」があります。あんこもちは1個120円、3個360円、4個で480円(すべて税込)です。
赤飯は仙人の導きで誕生!?
赤飯 折り箱二合入り 1200円(税込)
赤飯の販売が始まったのは60年ほど前の3代目の頃、ある老人から赤飯の依頼をもらったのがきっかけといわれています。
「米も小豆も揃っているなら作れるはず」とその老人から言われ作ってみたところ、思った以上に良い出来だったので商品ラインアップに加えたそう。その老人は結局受け取りに来ず、「仙人だったのでは?」と伝説になったとかならないとか。
3代目から受け継がれたレシピでつくる赤飯は、北海道産の小豆と、もち米を100%使用。モチモチの食感と、ほどよい塩味がたまらないと人気です。赤飯は贈答用のほか、店頭カウンターにて1パック(一合)340円(税込)で販売しています。
太田さんのアイデアが光るご飯物の商品
ちらし寿司 380円(税込)
太田屋米穀店では赤飯のほかにもご飯物を販売しており、月・水・金曜日は「五目ご飯」、火・木曜日は「ちらし寿司」、期間限定で「松茸おこわ」となっています。
五目ご飯はお客さんから要望を受け、せっかくならいろいろな種類をとラインアップを増やしました。
レシピには太田さんのアイデアが詰まっており、ちらし寿司の酢飯は、お米を酢と一緒に炊き込んで作るのだそう。優しい口当たりでさまざまな食材が楽しめるとファンの多い商品です。
店内ではお米やお菓子を販売
カウンターでは、お餅を板状に伸ばした伸し餅の切り売り販売もおこなっています。「白」「ヨモギ」「キビ」の3種類が全部で6切れ入って一袋350円(税込)。お米代わりにお餅を食べたい人におすすめの商品です。
また、店内で販売しているお菓子は、ほとんどがお客さんからのリクエストを受けて置くようになったものばかり。お客さんがお店に来て顔を見せてくれるきっかけになればと要望に応えているのだそう。あられやおせんべいのほか、アメ、クッキー、飲み物などさまざまな種類の商品を販売しています。
これからもずっと地域に愛されるお店に
お店には、太田さんとのおしゃべりを楽しみに、常連のお客さんから小さい子どもたちまで訪れます。「長年愛されているお店だからこそ、地域の方の憩いの場になっていると思います。古いものを残しつつ新しいことを始め、太田屋があってよかったと言われるお店であり続けたいです」と太田さん。おいしいおにぎりは、いつまでも残っていってほしいですね。
(取材:柳瀬菜月/12月取材)
太田屋米穀店
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