知立駅のほど近く、住宅に囲まれた路地にある「パブ ニュークラウン」をご存じですか?1961年に開店して以来、お客さんに愛され続けている老舗のバーで、今も昭和レトロな雰囲気を残す貴重なスポットです。
バーと聞くと、ちょっと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、ニュークラウンではお客さん同士もいつの間にか仲良くなってしまうほど、気兼ねなく過ごせるそう。お客さんは男性が多いそうですが、最近では女性客も増えていて、楽器を演奏したり、カラオケを楽しんだりと、いろいろな楽しみ方ができるんだとか。早速訪れてみます!
駅近で仕事終わりに立ち寄りやすい
お店があるのは、知立駅南口から徒歩5分ほどの場所。開店時間の午後7時になるとシャッターが開き、レトロなムード抜群の看板に明かりが灯ります。看板の形といい、字体といい、昭和レトロ好きにはたまらないのではないでしょうか。
駅に近いため、仕事終わりのビジネスマンが多く来店するそうですが、お店の隣には駐車場もあるので、車通勤でも大丈夫。もちろん、飲酒運転はダメですよ!
この道35年のマスターが明るくお出迎え
お店に入ると、マスターの井口真治さんが笑顔でお出迎え。ご両親が営んでいたお店を受け継ぎ、マスター歴は35年。続いた秘訣はずばり「楽しいから」。
「お客さんと話していると楽しくてねぇ。真面目な話も、くだらない話もするけど、くだらない話の方が前のめりになっちゃうね」と笑います。常連さんは100人ほどいるそうですが、初来店というお客さんも陽気なマスターが優しく迎え入れてくれます。
ショットやカクテルも充実
バーなので、もちろんお酒は種類豊富に揃います。ビール(800円・税込)やウィスキー(700円・税込)、カクテル(700円・税込)などなど...。ボトルキープは種類や銘柄をオーダーすることもできるのだそう。
「定期的に来てくれるお客さんは、お酒はもちろん好きだけど、それ以外にも、しゃべって、歌ってっていうのが楽しくて来てくれているんだと思いますね」。お酒が得意でない人はソフトドリンク(500円・税込)を。席料は1,000円です。
ギターとコンガは誰でも自由に弾ける!
店内にはギターや打楽器のコンガが。マスターが弾くのかと思いきや「僕は弾けないよ~」。お客さんから「ギターを弾きたいから置いてよ」とリクエストがあり、置くようになりました。誰でも自由に弾けるので、ギターとコンガのセッションが突然始まることもあるそうです。
その奥には、昭和世代には懐かしい「電話室」。さすがにもう公衆電話はつながりませんが、中には入れます。他人に聞かれたくない電話をするときはこちらで...。
カラオケあり!大きなスクリーンもあります
今はカラオケが当たり前の時代ですが、こちらでは40年前からカラオケマシンが置いてあったのだそう。まだカラオケボックスもない頃です。これも楽器と同じく、お客さんから「歌いたい」とリクエストがあって導入したそうです。
今も歌うのを楽しみに来店するお客さんがいるそう。「こんなに大きな箱でね、マイクももちろん有線で。今は通信カラオケだから、こんなに小さくなっちゃった」。1曲100円です。
お酒好きやおしゃべり好きな人にぴったり
U字型のカウンター席は15席程度。マスターが一人で切り盛りしています。
お客さんと話していたら隣のお客さんが会話に加わり、そのうちにお客さん同士が意気投合することや、何度かお店で会ううちにお店の外でも仲良くなった...というパターンも少なくないそうです。人とのつながりが自然と生まれる、今では貴重なお店です。
人との交流が生まれる古き良き時代の空気
店内のあちこちで感じられる昭和のレトロ感。けれど、それ以上に感じたのは、昭和の時代にはよくみられた「人とのつながり」が生まれる場所であるということでした。まさに「大人の社交場」という言葉がぴったりです。
ただお酒を飲むだけだったら家や居酒屋でもいいかもしれませんが、人との関わりを楽しむなら、ぜひニュークラウンを訪れてみてください。(取材:河合春奈/2022年4月取材)