トウガンじゃないよ、早生カリモリだよ!皮はプツンと心地よい歯ごたえで、果肉はパリッ!シャリシャリ!とクセになる食感。5月中旬から6月下旬に出荷のピークを迎える、愛知県碧南市の「早生カリモリ」を紹介します。
漬物用のウリで、和え物や炒め物でも◎!愛知県外では知名度がちょっぴり低いみたいですが...とにかく独特の歯ごたえがたまらない、必食グルメです!
明治から愛されてきた漬物ウリ「カリモリ」
早生カリモリは、愛知県を中心に濃尾平野で明治時代から作られてきたという漬物用のウリ。「あいちの伝統野菜」にも選定されています。一説によると、「食感がカリッとしていて美味しく、ご飯がモリモリ食べられるから『カリモリ』」なんだとか!
カリモリは本来夏に出荷されますが、愛知県碧南市ではハウスで栽培し、3月中旬から出荷をスタート!出荷のピークは5月中旬から6月下旬です。
多くは中京市場や京都の漬物加工業者へ出荷
愛知県碧南市で早生カリモリを育てている、JAあいち中央 カブ・かりもり部会の辻聖部会長を訪ねました。つるや葉の様子はキュウリに近い印象。黄色の花や、うぶ毛におおわれた小さな実がついていました!
JAあいち中央 カブ・かりもり部会の、早生カリモリの年間総出荷量はおよそ60トン。そのうち9割以上は中京市場や京都の漬物加工業者へ、一部が地元のJA産直市に出荷されます。
碧南市産のカリモリは色が淡くて美しい!
碧南市の早生カリモリは、露地ものに比べて色が淡く、美しいのがポイント!皮をつけたまま食べる食材なので、嬉しいですね。
大きさは縦15センチ、直径8センチほどです。
定番!漬物の素でお手軽に
辻さんのおすすめは定番の「漬物」。今回は、愛知県西尾市で漬物の素を製造販売する「宏昌食糧研究所」の塩漬の素を使いました!
口に運ぶと、まず皮の適度な弾力にびっくり!プツンと心地よい歯ごたえです。続いて果肉はパリッ!カリッ!としていて、まさに「"カリ"モリ」!奥歯でかみしめたときの、シャリシャリとした独特の食感もたまりません。さわやかな青い香りが鼻に抜け、初夏の訪れを感じさせます。
「早生カリモリの塩漬」作り方
【材料】
早生カリモリ(1個)、塩漬の素(適量)
【作り方】
1. 早生カリモリを縦半分に切り、スプーンで種を取り除く
2. 5ミリ~8ミリ程度の厚さに切り、ビニール袋に入れる
3. 塩漬の素を入れてなじませ、空気を抜くように押さえて漬ける
※漬ける時間や量はお好みで加減してください
塩漬のほか、粕漬や浅漬など様々な漬け方でおいしく食べられます。
シンプルな塩こしょう炒めもおすすめ
「漬物」以外のレシピを尋ねると...「さっと炒めても食感が楽しめる」「JAスタッフの中には炒め物にする人も」とのこと。安城市で飼育されているブランド豚肉「でんぽーく」を使って炒め物にしてみました。
独特の食感は、火を入れても健在!少し水分が抜けたからか、「ポリポリ」に近い歯切れの良さ。やわらかお肉、ふんわり炒り卵との相性も抜群です!
「早生カリモリの塩こしょう炒め」作り方
【材料】
早生カリモリ(1個)、薄切り肉(200g)、卵(1個)、砂糖・醤油・塩こしょう(適量)
今回は「でんぽーく」のもも肉を使いました。
【作り方】
1. 早生カリモリを縦半分に切り、スプーンで種を取り除く
2. 5ミリ~8ミリ程度の厚さに切る
3. 卵・砂糖・醤油を混ぜ、炒り卵を作り、別皿にとる
4. フライパンで、肉を色が変わるまで炒める
5. 早生カリモリを入れ、少し透き通るまで炒める
6. 炒り卵を加え、塩こしょうで味を調える
早生カリモリはJA産直市でも購入できます
地元JAあいち中央の産直市で、JA管内産の早生カリモリが購入できます。
■あおいパーク「もぎたて広場」
場所:愛知県碧南市江口町3-15-3
■ファーマーズマーケットでんまぁと安城西部
場所:安城市福釜町釜ヶ渕1-1
※店舗は一例です。時期や天候により購入できない場合もあります。
早生カリモリとトウガンの違いは?
ここからはおまけ。「近所のはなし」公式SNSで、早生カリモリの名前当てクイズを出題したところ、「トウガン(冬瓜)」が「カリモリ」の解答数を上回りました。違いを一覧にしてみました!(近所のはなし調べ)
■大きさ
早生カリモリ:約15センチ・400~500グラム
トウガン:約30センチ・3~5キロ
■食べ方
早生カリモリ:皮もおいしい。漬物が定番
トウガン:皮をむいて食べる。煮物やあんかけが定番
名前当てクイズの結果は...
1位:「早生トウガン」「トウガン」...14票
2位:「早生カリモリ」「カリモリ」...11票
3位:「瓜」...3票
4位:「マクワウリ」「白瓜」「黒瓜」...各1票
知っているようで知らない、愛知県碧南市の旬食材「早生カリモリ」。ぜひ食べてみてください!(取材:鶴見弥耶・2021年5月取材)
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