「いつか自分のお店を持てたら......」そんな憧れを実現させたご家族が、ここ安城市にもいます!安城市でいちじく農家を営む水野富行さん・京子さん夫妻、そして昔からお菓子づくりが大好きだったという娘さんが家族でオープンさせたのは、小さな洋菓子店「むかか(無花果)」。
富行さんが作ったいちじくなどを使用した焼き菓子やジャムが好評なんだとか。新しいことにチャレンジする姿が地元でも注目を集めています。今回はそんな「むかか」を切り盛りするステキなご家族とお店の魅力を紹介していきます!
知る人ぞ知る、町の小さな洋菓子店
愛知県安城市の住宅街にひっそりと佇む、焼き菓子と手作りジャムのお店「むかか」。2020年11月にオープンして以来、町の小さな洋菓子店として地元の大人から子どもまで幅広く人気を集めています。
営業は金曜日・土曜日の週2日のみで11時~15時。「売り切れ次第販売終了」という商品の希少性もまた人気のヒミツなのかもしれません。すでに知る人ぞ知る地元の隠れ家っぽさが漂っていますね!さっそく中を覗いてみましょう。
農家ならではの焼き菓子が魅力!
「むかか」では、旬のくだものを使ったスコーン、クッキー、パウンドケーキなどの焼き菓子を販売。いちじくをはじめ、ブルーベリー、みかん、キウイなど、富行さんが畑で作ったくだものが商品にふんだんに使用されているのも農家が経営する洋菓子店ならでは。
季節ごとにメニューが変わり、「今日は何が売っているかな?」とお店をのぞきに来るお客さんや新作メニューを楽しみに待つお客さんも多いんだとか。
家族のモットーは「妥協しないこと」
お店を切り盛りするのは富行さんと京子さん、娘さんの3人。主にご夫婦で農業を、京子さんがジャム作り、娘さんが焼き菓子作りと役割を分担し、それぞれの得意分野を発揮しながらお店を営業しています。
「京子や娘の味を信頼しているからこそ任せられる」と笑顔で教えてくれた富行さん。「お互いがそれぞれの分野で妥協しないこと、それでいて家族のやることを否定しないこと」をモットーにアットホームなお店作りを行っています。
くだものをふんだんに使った自慢のスコーン
棚には、何度も試作を重ねて完成したという娘さんの自信作がずらり。中でも人気なのが、表面のサクサク感と生地のしっとり感のハーモニーが楽しいスコーン。
今回は、左から「塩いちじく」「ほうじ茶ホワイトチョコ」「ブルーベリークリームチーズ」(全て1個250円・税込)の3種類をチョイス。「塩いちじく」は、いちじくの酸味と甘み、ほんのりしょっぱい生地の風味が絶妙です。ん~!全部おいしい?
スイートポテトをはじめ、季節限定商品も
「父が育てているものは何でもお菓子にしたい」と工夫を凝らしている娘さん。現在は、富行さんが育てたサツマイモをふんだんに使用した「スイートポテト」(200円・税込)を冬季限定で販売。
調理工程では、こさずにミキサーでサツマイモを細かくすることで、ゴロゴロとした食感が残るように工夫しています。
いちじくのドライフルーツが生地に練りこまれた「パウンドケーキ」(200円・税込)もおすすめです。
砂糖の配合にこだわったフルーツジャム
「むかか」のもう一つの看板メニューは京子さんが丹精込めて手作りするフルーツジャム。現在はご夫婦で育てたキウイとみかんで作ったジャム(ともに450円・税込)、地元の農家から仕入れたイチゴを使用した「いちごジャム」(550円・税込)を販売。
収穫時期によって酸味や糖度が異なるため、くだものとグラニュー糖の配合にこだわりながら常に同じ味となるよう調整しているんだそう。
※いちじくは8月~12月、ブルーベリーは6月~12月に販売予定。
農家としての新しい在り方を探る富行さん
いちじくを中心にくだものの栽培を行う富行さん。大量生産ではなく「一番おいしいものを」と高品質にこだわった農業を行っています。
ブルーベリーの栽培は選別が命。収穫したその日のうちに仕分けを済ませるなど、品質管理も徹底しています。
それでも縮小していく農業の現状を踏まえ、「生産して終わりではなく、もっとくだものの魅力を伝えていきたい」と、京子さんや娘さんと協力しながら、新たな農家の可能性を探っています。
大好きだからこそ、自分のお店を
焼き菓子の製造を担当するのは、昔からお菓子作りが大好きだった娘さん。京子さんから誕生日プレゼントにレシピ本をもらったことがきっかけでお菓子作りに目覚め、好きが高じてお店を持つことを夢見るように。
3児の母でもある娘さんは、パートで薬局に勤める傍ら、時間を見つけては家やお店でお菓子作りに没頭する日々。梱包作業などを行ってくれる旦那さんや妹さん、家事を手伝ってくれるお子さんの協力もあり、商品開発に専念できていると言います。
地元の人から愛されるお店に
いちじくは漢字で「無花果」と書きますが、子どもから大人まで愛される店にしたいという思いを込めて、漢字をそのまま音読みにした「むかか」を店名にしたんだそう。地元の農家で加工販売を行っている人はまだまだ珍しいんだとか。
今後の展望について、自分たちが加工販売の第一人者となり、これから始める人にノウハウを提供できたら嬉しいと語ってくれた富行さん。これからますます農家の新しいかたちが広まっていきそうですね。(取材:岩井美穂/2021年1月取材)
むかか 無花果
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