愛知県は、創造力を身につけることや、子どもたちの個性を引き出す学びの実現などを目的に、2025年4月の入学者から、公立の中高一貫校での教育を行うと発表しています。この地域からは、刈谷高校の附属中学が2025年4月に、西尾高校の附属中学が2026年4月に開校します。
中高一貫教育の導入のねらいや、気になる入学者の選抜方法について取材しました。
※この記事は、11月9日(木)に放送した「KATCH TIME30」をもとに作成しています。
刈谷高・西尾高で中高一貫教育を導入
この地域からは、いわゆる進学校と呼ばれる刈谷高校や、西尾高校が、高校の3年間だけではなく、6年間、一貫した教育を受けられる探究学習重視型の中高一貫教育を導入します。
刈谷高校の附属中学は2025年4月に、西尾高校の附属中学は2026年4月に開校します。
「チェンジ・メーカー」の育成がねらい
愛知県では、中高一貫教育の導入のねらいとして、答えのない課題に対して、失敗を恐れずにチャレンジし、社会に変化を起こすことのできる人「チェンジ・メーカー」の育成を掲げ、中高6年間の教育を通して、3つの力を伸ばしていきたいとしています。
1. 答えのない課題に対して、問いを立て続けることができる力
2. 多様性を尊重し、互いの良さを生かすことができる力
3. 積極的にチャレンジし、粘り強く取り組むことができる力
中高一貫教育のメリットは?
中高一貫にすることで、どのようなメリットがあるのか、愛知県教育委員会 中高一貫教育室の木村さんに聞きました。
・6年間、ゆとりのある計画的・継続的な教育指導が展開でき、効果的で一貫した教育が可能になる
・6年間にわたり生徒を継続的に把握できることで、生徒の個性を伸ばしたり、優れた才能を発見できたりする
・中学校1年生から高校3年生までの異年齢集団による活動が行えることにより、社会性や豊かな人間性が育成できる
ちなみに、刈谷高校および附属中学校の中高6年間の教育理念は「『私たちの実現したい未来』に向けて、高い志と責任感をもち、世界を視野に入れて活躍し、時代を創ることのできる人材を育成する」となっています。
説明会の内容は県教委HPにも掲載予定
今年度は、2025年4月開校の第一次導入校4校の児童・保護者説明会が実施されます。刈谷高校に併設する中学校の説明会は、11月に2回、実施されます。
すでに申し込みは終了していて、説明会の内容は、後日、愛知県教育委員会のホームページに掲載されるということです。
入学者選抜は「2段階選抜」
入学者の選抜方法については、入学後の学習に必要な資質や能力を丁寧に見るため、適性検査で思考力や判断力などを測り、受験者数を絞った上で面接を行う「2段階選抜」で実施されます。
【刈谷高校附属中学校 普通コース】
定員:80人
1次選抜:英語を除く、小学校学習指導要領の範囲内 全問選択式
2次選抜:面接
・チェンジ・メーカーの育成や探究学習にとって重要な資質(探究心、共感力、寛容性、粘り強さなど)を見る
・導入校の教育方針やカリキュラムへの理解
・中高6年間にわたって探究的な学びを続けようとする意欲、志望動機を見る
適性検査のサンプル問題は愛知県教育委員会のホームページ12月ごろに公表予定となっています。
過度な受験戦争を招かないよう、特に高度な知識を求めるような出題は行わないとのことですが、高校からの入学者の定員は、附属中学への入学者80人が、もとの定員からひかれるので、倍率があがる高校があることが想定されます。(取材:山田規可/2023年10月取材・撮影)
KATCH TIME30
この記事は、11月9日(木)に放送した「KATCH TIME30」をもとに作成しています。
キャッチ加入者様はKATCHオンデマンドで放送後、2週間ご覧いただけます。
番組名:「KATCH TIME30」
放送チャンネル:地上デジタル121ch
放送日時:月曜日~金曜日 18時~(生放送)
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