愛知県西尾市出身で、世界的なパティシエ・ショコラティエとして活躍する高須聡さん。名古屋市内に構える直営店「ショコラトリータカス」はスイーツ好きの人でつねに大盛況です。
2023年に西尾市制が70周年を迎えるにあたり「にしおスイーツ特命大使」として特別なケーキを手がけている高須さんに、西尾市への思いや、記念ケーキに込めたこだわりなどを伺いました。
※2023年4月取材・撮影、2024年1月店舗情報を確認。お出かけの際は最新情報をご確認ください
まるで外国にきたかのようなおしゃれな店内
現在、高須さんが手がける直営店は名古屋市内に2店舗あります。この日は名古屋市営地下鉄・久屋大通駅からすぐの店舗で話を伺いました。ドアを開けると、甘くてどこか香ばしいチョコレートの香りに包まれて、ついうっとり。
10時のオープンと同時にお客さんが次々と来店し、お店の奥にあるカフェスペースも大にぎわい。なんでも、お店でしか食べることができない限定のパフェが大人気だそう。
所せましと並べられたチョコレートの誘惑に、手が伸びてしまいそうです。
西尾市出身のショコラティエ・高須聡さん
愛知県西尾市一色町で生まれ育った高須さんは「子どものころは隣町に行かないとケーキも買えないし、チョコレートもスーパーで売っているものしかなかった」と話します。
高校を卒業後、ご両親の紹介もあって製菓店で働くことになった高須さんですが、当時はお菓子作りにあまり興味がなかったそう。それでも、「世の中にいろんなお菓子があると知って、おもしろくなってきて…。『次はチョコレートをやってみようかな』と思ったんです」という高須さん。
その後、国内外で修行を重ね、今では日本を代表するショコラティエとして世界で活躍されています。
人々を魅了し続けるチョコレートの秘密
画像提供:ショコラトリータカス
2018年にフランスのC.C.C.(チョコレート愛好家クラブ)による格付け評価の最高位・ゴールドタブレットに選ばれ、翌2019年にはサロン・デュ・ショコラパリで「過去25年で最も優れたショコラティエ100人」に選ばれるなど、世界のコンクールでも高い評価を受けています。
「自分が作ってから相手が口にするまで」をイメージすることを大切にしているそうで、そのことに気づいたきっかけはお客さんに頼まれたバースデーケーキでした。「コンクールに出すようなすごいケーキも喜んでくれますが、それよりもイチゴをぎっしり並べたシンプルなタルトの方がリアクションがよかったりするんですよね。
お菓子作りは相手がいないと成立しない。人を魅了することも大事だけど、やっぱり相手に寄り添いたいですね」。食べる人を喜ばせる。チョコレートファンを虜(とりこ)にし続ける理由はここにあるようです。
ショーケースで輝く西尾抹茶のチョコレート
高須さんは、西尾市にゆかりのある著名人が就任する「西尾市シティプロモーション特命大使」の1つである「にしおスイーツ特命大使」としても活躍しています。お店では西尾市の特産品・抹茶を使ったボンボンショコラも販売しています。
西尾産抹茶の細かい粒子はパウダーとしても利用できて、味もしっかり出るため、お菓子作りには最適。ショコラトリータカスでは、その中でも高品質な抹茶をふんだんに使い、リッチでなめらかな味わいを実現しています。
高須さんは「暑いところで丁寧に茶葉をローストして、細かくして、選りすぐりのものを作っているのに、売れなくなってしまったら誰も作らなくなってしまう」と地元の産業を未来に残すために、さまざまなアプローチを思案しているそう。
「突き詰めたものを作った方が職人さんも育ちますし、伝統的なものは残していかないといけない。だから、いいものをできるだけ使うようにしています」。
西尾に暮らす子どもたちと作るケーキ
今年で市制70周年を迎える西尾市。高須さんは記念事業の一環で、記念ケーキの制作を担当します。しかし、高須さんの故郷・一色町は自身が県外で修行をしていた2011年に合併したため、西尾市全体については把握しきれていない部分も。
そこで、高須さんは出身小学校に通う4年生の児童と一緒にケーキのアイデアを出すことにしました。
「この子たちにとっては、生まれたときから『西尾市』なんですよね。できればみんなが思う西尾市のことを教えてもらいたくて」と高須さん。
小学生たちが手がけたケーキのイラストには、高須さんが子どものころはまだ同じ市ではなかった吉良や幡豆の特産品も描かれていました。
「意外と僕が知らないことが多かったです。ヒントをたくさんいただきました」。子どもたちのデザイン画から着想を得て、新しい西尾を象徴するケーキを作り上げます。
ゆくゆくは故郷・西尾にもお店を
現在、高須さんの直営店は名古屋市内のみですが、ゆくゆくは西尾市内でもチョコレートを売ることを考えているそうです。
今後の西尾市に期待することを伺うと「県外からもっと人がくるようになってくれたら」と、人が集まるにぎやかな街づくりへの期待を語ってくれました。
市制70周年を機に、注目が集まる西尾市。記念ケーキを手がける高須さんの今後の活躍からも目が離せません。(取材:安藤香奈美/2023年4月取材、2024年1月店舗情報を確認)
ショコラトリータカス
場所:愛知県名古屋市中区丸の内3-19-14
営業時間:9:30~19:00(カフェ10:00~17:00)
日曜日、祝日は10:00~18:00(カフェ10:00~17:00)
定休日:月曜日
電話:052-973-0999
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