サッカーワールドカップ カタール大会で、日本は、スペインを2-1で破り、2大会連続のグループリーグ突破を決めました!
日本代表は、悲願のベスト8進出、そしてさらなる高みを目指して決勝トーナメントに進出!スタイリッシュなデザインの新ユニフォームをまとい、強豪たちとの戦いに臨みます。
実はそのユニフォーム、愛知県刈谷市の刈谷高校サッカー部OBであるアディダス ジャパンの高木将さんが手掛けているんです!今回は、高木さんにユニフォームの開発秘話や青春時代を過ごした刈谷市の思い出をお聞きしました。
コンセプトは「ORIGAMI(折り紙)」
ジャパンブルーの生地に描かれた幾何学模様が目を引く新ユニフォームですが、これは日本における歓喜をもたらす祈りの象徴として折り紙をコンセプトに開発されています。
開催地のカタールといえば、日本代表が目前でワールドカップ初出場を逃した『ドーハの悲劇』の舞台。今大会ではカタールを『歓喜の地』にするべく、高木さんは勝利と躍進の願いを込めて『ORIGAMI』をコンセプトにユニフォームをデザインしました。模様をよく見ると、折り鶴の形にも見えてきます!
憧れていた「サッカー商品の仕事に就くこと」
小学生の頃からサッカーに夢中だったという高木さん。高校進学にあたり、当時から憧れていたサッカー商品の仕事に就くことを目指し、文武両道を掲げる刈谷高校に進学しました。
その後、筑波大学、アメリカの大学院でスポーツマネジメントへの学びを深め、2013年にアディダス ジャパンに入社。現在サッカー部門を担当する高木さんにとって、今回のユニフォームデザインはまさに念願のプロジェクトでした!
日韓大会の名シーンがコンセプトのヒントに
「ORIGAMI」をコンセプトとするデザインには、2002年開催の日韓ワールドカップの表彰式が関係しています。
優勝国ブラジルの選手・スタッフを祝福するかのように、約270万羽の折り鶴が降り注ぎました。
当時の映像を見た高木さん。「この歓喜の中心に日本代表がいてほしい」という想いが芽生え、そこからドイツ本社のスタッフとともに試行錯誤を重ね、先進的でありながら日本伝統の"祈る心"を見事に表現しました!
選手とサポーターが一つになるユニフォーム
JFATV:「Team Cam 新ユニフォーム特別編|SAMURAI BLUE ver.」の一コマ
デザイン性はもちろん、選手が最大限のパフォーマンスを発揮できる機能性にもこだわり抜いた新ユニフォームは、日本代表選手からも好評!ここにサポーターの応援が加われば、世界のライバルたちと戦う選手たちにとっての大きな力になります。
「『ORIGAMI』には選手とサポーターの"積み重なる想い"という意味もあるんです」という話からも、高木さんがサポーターの心情にも寄り添ったうえでデザインしたことが伝わってきます。
刈谷高校でサッカーと勉学に励んだ青春時代
刈谷高校サッカー部時代の高木さん
選手目線とサポーター目線を兼ね備えたユニフォームデザインができるのは、学生時代に大好きなサッカーにひたすら打ち込んできた経験があるからこそ!特に刈谷高校での3年間は、チームメイトと一緒にサッカーと勉学の両立を目指し、充実した日々を送りました。
「部活終わりでくたくたでも、みんなで知立駅前のドーナツ店に行って勉強していました」という思い出も!仲間たちと切磋琢磨した日々がいまにつながっているんですね。
全国大会に導く思い出のゴールに赤面!?
ここで高木さんにサプライズ!2005年度インターハイの愛知県決勝トーナメントの映像を観ていただきました。
この試合に出場した高木さんは、試合を決定づけるPKを決め、歓喜のパフォーマンスを披露!「いやぁ、恥ずかしいですね」と照れながらも映像に見入ります。
高木さんは、入学前から刈谷高校伝統の"赤襷"のユニフォームを全国大会に連れていく目標を掲げていました。3年生の大会で悲願を達成する、なんともドラマチックなストーリーです!
サッカーにアツい刈谷市で学んだこと
高校卒業後もチームメイトとの交流が続いています。集まれば色あせることのない思い出話に花が咲きます。
インターハイ出場時の表敬訪問では、刈谷市長にとても喜んでもらえたと言います。「刈谷市はサッカーが盛んで、いろんな方々にサポートや応援をしていただいた」と当時を振り返る高木さん。
応援してくれる人たちの後押しに感謝しながら目標を成し遂げることの喜びは、ユニフォームデザインの仕事に確実に生かされています。
選手もサポーターもユニフォームでひとつに
11月のワールドカップ開幕に向けて、選手たちに最大限のサポートを行う高木さん。日本代表の躍進への期待感は日に日に膨らんでいます。
「このユニフォームをきっかけに日本代表を応援してもらえたらうれしいです」と高木さんが呼びかけるのは、選手を勇気づける応援のパワーを知っているからこそ。
ぜひ「近所のはなし」の読者のみなさんも、刈谷高校OBの想いが込められたユニフォームをまとい、日本代表を歓喜の瞬間へと後押ししましょう!