折り紙といえば、多くの人が子どものころに経験した日本の伝統的な遊び。大人になってから折り紙に触れる機会ってなかなかないですよね。気づけば折り方を忘れてしまった...鶴だったらギリギリつくれるかも!?くらいの人も多いはず。
そんな「折り紙」のスペシャリストが近所の安城市にいるらしい!登場してもらうのは、折紙作家として活動する竹内ケイさん。今すぐ真似できる可愛い折り紙から、こんなものまでつくれる!スゴ技まで、めくるめく折り紙ワールドへ連れて行ってもらいます。最後まで読んだら、折り紙のイメージが変わっちゃうかも!?
世界中に広がる折り紙文化
竹内さんは、愛知県安城市出身の折紙作家。世界の折紙愛好家などが交流する「日本折紙学会」や、東海地方の「折紙探偵団東海友の会」に所属しています。竹内さんによると、折り紙好きが集まる団体はアメリカやイギリスなど世界各地にあるんだそう!
「趣味として楽しむだけではなく、科学的に研究している大学機関も海外に多いんです。例えば、ロケットのソーラーパネルを小さく折りたたむために、日本の折り紙の技術がいかされているみたいです」。ロケットの開発にも影響しているなんて、びっくりです!
折紙作家になったのは、「好きだから」!
普段は、愛知県を中心に折紙講座を行っている竹内さん。3年ほど前から折紙作家を仕事としていますが、それまでは介護の仕事をしながら活動をしていたんだそう。子どものころから折り紙が大好き!大人になってもその魅力に惹かれ続け、折り紙をなりわいとするまでになりました。
以前は、とにかく折り紙で高みを目指していた時期も。コンクールで優勝した経験もあります!「今、大切にしているのは、生徒さんたちにいかに楽しんでもらうかです」。折り方の図も自作するなど、生徒さんに分かりやすく伝えるための工夫を欠かしません。
折り紙は年齢も国境もこえる!
そんな竹内さんにとって、折り紙の魅力って?「年齢や国境をこえて、コミュニケーションのツールにもなるところです!共通の話題がなくても、折り紙を一緒に折ることで交流できるのが楽しいですね」。生徒さんが講座で覚えたものをお孫さんに教えてあげたり、さらには地域の仲間に折り紙を教える先生になったり、人と人とのつながりを生んでいる様子。
竹内さん自身も、講座用にどんどん新作を考案しています。「生徒さんたちに、毎回違う作品をつくって楽しんでもらうためです」と話してくれました。
つくる前に、どんな準備が必要!?
生徒さんの話題が出たところで、近所のはなし編集部にも折り紙のつくり方を教えていただきました!つくるのは、これからの季節に合わせた「ひな飾り」!おうちでも気軽に挑戦できる作品です。用意する道具は、ノリだけあれば十分!
上級者向けだと、他に両面テープ、ピンセット、ヘラを使うことも。ヘラを使うのは、折るときに指に負荷がかからないようにするため。折り紙専用のヘラが売っているそうですが、裁縫用でも何でも大丈夫。伊勢名物「赤福」に付いてくるヘラを使っている方もいるんだとか!
「おだいりさま」をつくろう!
【用意するもの】 頭のパーツ:15cm×7.5cmの折り紙。黒1枚。 正方形の折り紙を半分に切って使います。
体のパーツ:15cm×15cmの折り紙。お好みの色2枚。 色や柄で雰囲気が変わります。お気に入りを探してみてください。
頭のパーツ・体のパーツを別々につくって、最後に頭と体を組み立てます。
「おひなさま」をつくろう!
【用意するもの】 頭のパーツ:15cm×7.5cmの折り紙。黒1枚。 正方形の折り紙を半分に切って使います。
体のパーツ:15cm×15cmの折り紙。お好みの色2枚。 色や柄で雰囲気が変わります。お気に入りを探してみてください。
頭のパーツ・体のパーツを別々につくって、最後に頭と体を組み立てます。
1枚の紙でここまでできる!
上級者になるとこんなものもつくれる!?翼の形まで細やかなドラゴン。こちらもなんと、竹内さんのオリジナル作品なんですよ!制作時間約40分、全長およそ50㎝におよぶこちら、竹内さんは75cm×75cmの大きな紙でつくっているそう!
動物をつくるときは、和紙のような柔らかい紙のほうが動物らしい動きをつけられます。逆に、幾何学的なモチーフの場合は、固めの紙のほうがピシッと折り目がつけられるそう。ドラゴンとなると、動物!?といえど直線的な部分が多いので、竹内さんの好みは固めの紙だそう。
上級者になるとこんなものもつくれる!?翼の形まで細やかなドラゴン。こちらもなんと、竹内さんのオリジナル作品なんですよ!制作時間約40分、全長およそ50㎝におよぶこちら、竹内さんは75cm×75cmの大きな紙でつくっているそう!
つくれたらスゴイ!「ドラゴン」のポイント
ドラゴンを実際につくってもらうと...何がどうなってるの!?もはやついていけないスゴさに思わず息を飲むばかり。
最初のほうは、とにかく折りスジをつけている様子...とんでもなく入念な作業です。計ってみると、全体の40分間のうちおよそ1/4の10分間がこの工程!「ここで折りスジを正確につけておくことで、この後の手順で綺麗に折れるようになります」と竹内さん。 一通り折りスジをつけ終わったら、今度は立体的に折っていく作業。1回の手順で4か所同時に折る部分もあり、グッと難易度が上がります。
ハマったら抜け出せない!?折り紙の世界
難しいドラゴンまでオリジナルでつくってしまう竹内さん。そのアイデアの源が気になるところ。「過去の作品のアレンジから生まれることもあれば、つくりたい動物を観察してヒントを得ることもあります。思いついた作品は講座で教えるため、折りやすい手順を考え抜きます」。こうして、ようやくできたものが、講座で披露されるんですね!
誰でも気軽に始められて、しかも奥が深~い折り紙。まずは、今回ご紹介した「ひな飾り」から、みなさんもチャレンジしてみてください!(取材:鶴見弥耶・齊藤美幸)
竹内ケイ
1980年愛知県安城市生まれ。愛知県内の各地で折紙講座を開催。西三河エリアでは安城市の桜井公民館、他に愛知県では大名古屋ビルヂング中日文化センター、栄中日文化センター、名鉄カルチャースクール神宮前など。
【今後の予定】2019年8月、折紙探偵団東海友の会「創作折紙・切り絵展」開催予定。会場は、「スカイワードあさひ(尾張旭市)」。 竹内さんの日々の活動内容などについては、webサイトやSNSでチェックできます!