地元にある「猫の島」
三河湾に浮かぶ小さな島・佐久島(愛知県西尾市)は、アートの島として全国から人が押し寄せる人気スポット。
観光客が増えるにつれ、のどかな島の風景や黒壁の家が連なる町並み、路地に集まる猫にも注目が集まり、猫の島としても知られるようになった。
"当たり前"がココだけの魅力だった!
「潮風から家を守るためにコールタールを塗ることは、島にとって当たり前の風景。これが黒壁の町として注目されるとは思ってもみなかったことです。
路地に10匹以上集まる猫も、島の日常風景。言われてみれば、猫が多いかなと思うくらいで、特別なことではないと思っていました」と話すのは、島で民宿「千鳥」を経営する筒井一雄さん。
映画撮影を島民としてバックアップ
さらに、2019年2月に公開された映画「ねことじいちゃん」の舞台に選ばれたことで、猫の島の知名度は一層高まりそうだ。
映画では、猫の愛くるしい姿とともに、島ののどかな風景を紹介している。撮影には島民の協力が不可欠。筒井さんは、ロケを島民に周知し、映画を島民の立場からバックアップした。
映画をきっかけに佐久島をPR
「事前にロケを知らせることで島民も安心できますし、撮影にも協力できます。映画のおかげで佐久島がメジャーになれば、島民にとっても光栄なことです」と筒井さん。
アートや猫など近年改めて注目される魅力のほかに、変わらない伝統や風景もある。「佐久島太鼓を受け継いでいこうと始まった佐久島太鼓フェスティバルは、節目となる10回目を終えました。佐久島の朝日や夕日も息をのむ美しさ。島に遊びに来たらぜひ観賞してほしいですね」。
筒井一雄さん
1955年、佐久島生まれ。名古屋で働いていたこともあるが25歳の時に島へ戻り、家業である民宿を手伝うようになった。
佐久島太鼓の伝統を絶やさぬよう、小学生や中学生に太鼓の指導を行なっている。佐久島観光の会の前会長であり、佐久島の魅力発信にも力を注ぐ。
(キャッチネットワークのライフコネクトチャンネルマガジン・ケーブルテレビの向こうがわ。2019冬号より)