半世紀を経て碧南のソウルフードに
ずば抜けておいしいわけでもなければ、安くもない。どちらかと言えば、味は素朴でパンチに欠ける。昭和丸出しのパッケージもおしゃれとは言い難い。でも、地元を中心に売れている。一体なぜ――。
実はこれ、キリンラーメンを製造する小笠原製粉内のかつての声。一度は販売不振で製造を中止した商品だけに、生産を再開した当時は売れる理由がわからなかったという。
地元に愛されて、これからも
「地元の方々の熱意に応えて復活させたものの、まさか売れるとは思っていませんでした。でもお客さんに話を聞くうちに、味はパンチがないのではなく優しくて懐かしいんだとか、パッケージはダサいんじゃなくてレトロでかわいいんだ、ということに気づかされたんです」と笑うのは、専務取締役の小笠原充勇さん。
何より、各家庭で作り方や食べ方が違い、それぞれが自分のラーメンを楽しげに話す姿に感銘を受けたと話す。
全国のファンから名前を公募!
「いつの間にか、碧南市民のソウルフードに成長していたんですね。もはや弊社の一商品ではなく、みなさん一人ひとりのものになったんだな、と実感しました」。
こうした経緯から、今回の名称変更はあえて一般公募に。全国から集まった1万通を超える応募の中から候補を3つに絞り、総選挙の結果『キリマル』に決定。この秋、10月30日から新しい名前で出荷を開始する。「これを機に、楽しい企画をどんどん仕掛けたい」と話す小笠原さん。今後のキリマルラーメンの展開に乞うご期待!
小笠原充勇
1977年碧南市生まれ。18歳から地元を離れて進学、就職をするものの、30歳を機に実家が営む小笠原製粉に入社。
水族館や企業とコラボレーションした袋麺を手がけるなど、新商品の開発にも力を入れる。現在は専務取締役という立場で、キリマルラーメンの今後の展開を構想中。
小笠原製粉
1907年創業。製粉業を営む傍ら、1965年に発売したキリンラーメンが大ヒット。一時生産中止になるも、2002年に1万食限定で復活。10年に生産を完全に再開する際、地元貢献のために原材料を碧南産中心に変更した。
場所:愛知県碧南市汐田町3-33
電話:0566-41-0480
営業時間:8:00~17:30
定休日:土日・祝日
(キャッチネットワークのライフコネクトチャンネルマガジン・ケーブルテレビの向こうがわ。2018秋号より)
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