野球をこよなく愛するグラウンドキーパー
「いいグラウンドだねと褒めてもらえると、素直に嬉しいですね」。そう笑顔で話すのは、刈谷球場でグラウンドキーパーを務める石井猛さん。
グラウンドキーパーとは、運動施設のグラウンド整備をする職業で、刈谷球場ではトンボと呼ばれる道具でスパイク跡を埋めたり、トラクターで平らにならしたり、芝を整えたりと全般の管理を行う。石井さんはグラウンドキーパー歴5年。刈谷球場に6人いるメンバーの中で一番のベテランだ。
選手から元気をもらい活力に
そんな石井さんは、社会人野球チームなどを経て、長年野球人生を歩んできた。「定年後も、野球に関係した仕事に就きたいと考えていた時、先輩から紹介してもらったんです」。
裏方になることに戸惑いは全くなかったという。「むしろ、選手の前へ前へと進んでいく姿勢に、こちらが元気をもらっています」。
夏は高校野球。1年で最も熱くなる
7月からは「第100回全国高等学校野球選手権記念東・西愛知大会」が刈谷球場でも繰り広げられている。この期間は早朝6時から選手がグラウンド入り。緊張感が高まるそうだ。整備後もグラウンドの状態を見るための試合観戦は欠かさない。
「整備に不備があって、ボールが思わぬところに跳ねたりしないかとか、とにかく気になるんです」。石井さんは、夏の高校野球が始まる頃、麦わら帽子を新調するという。「また1年がんばろう。高校野球のたびに新しい気持ちになります」。
石井猛
1953年岡崎市生まれ。豊川高校、愛知学院大学で野球部に所属し、卒業後は社会人野球の世界へ。
チームを離れた後も、草野球を楽しむ。趣味はカラオケと野球観戦。好きなチームは読売ジャイアンツ。
(キャッチネットワークのライフコネクトチャンネルマガジン・ケーブルテレビの向こうがわ。2018夏号より)