結成以来変わらぬ仲間と文化祭のノリで楽しむ
とある平日の夜、静かな住宅街の一角にある愛知県碧南市『堀尾医院』では、年齢も性別も異なる十数人のメンバーがテーブルを囲んでおしゃべりを楽しんでいる。共通の話題は映画だ。
彼らは、1997年に市内の映画愛好家たちによって立ち上げられた「碧南映画の会」のメンバーだ。もともと市主催の映画上映会をサポートすることを目的としていた同会だが、2009年からは年に数回、自主上映会の企画・運営を行っている。
映画館がない町だからこそ
先日も碧南市芸術文化ホールで上映会が開かれた。宮沢りえ主演の『湯を沸かすほどの熱い愛』を観賞し、中野量太監督を招いてのトークセッションも行った。
年200本近く映画を観賞しているという小笠原巧スタッフ代表は、「碧南には映画館がないからこそ、市民に楽しんでもらう場を提供したい」との思いを話してくれた。
碧南から映画の灯を消さないために
チケットは毎回完売という人気ぶり。それでも上映には費用がかかるため採算は合わないが、それも覚悟の上だという。
「人生で大切なことはすべて映画から学んだ」という元映画少年の堀尾静会長は「20年近くメンバーがほとんど変わっていないのが会の自慢。かけがえない仲間とともにこれからも手弁当で頑張ります」。彼らがいる限り、碧南から映画の灯が消えることはない。
(キャッチネットワークのライフコネクトチャンネルマガジン・ケーブルテレビの向こうがわ。2017秋号より)
碧南映画の会
1997年に結成された映画サークル。
年に1、2回、碧南市芸術文化ホールで自主上映会を開催している。