海を眺めながら絶品そうめんが食べられる店!?
8月中旬、西尾市の海水浴場に日本三大素麺のひとつである小豆島産手延素麺が食べられる「海のそうめん屋」という珍しい店が期間限定でオープンしていました。
お店をやっていたのは、西尾市西幡豆町にある「みやもと糀店」の宮本貴史さん。「小豆島に行った時に食べたそうめんのおいしさを、みんなにも伝えたくて。帰る時には友達とやろうって決めてましたね」。
海外での経験が、農業をはじめるきっかけに
元々、写真・カメラマンの専門学校に通っていたという、現在40歳の宮本さん。「写真を撮りながらインドを旅する中で、自分はどう生きていきたいのかなと漠然と考えていて。たどり着いた答えは、"自然と関わりながら生きていきたい"だったんです。
当時体調を崩していたこともあって、自分が食べるものは自分で作ろうと農業を始めることにしました」。宮本さんは17年前から無農薬・無化学肥料にこだわったお米や味噌づくりに必要な大豆、糀を作っています。
味噌作りのワークショップを開催
農家として畑や田んぼを耕す一方、1~4月までの間、宮本さんが講師となり1年分の味噌を仕込むワークショップを開催。4ヶ月の間に1,000人以上もの人が参加するんだとか!
「自分が食べているものが何でどうやってできているのか、目で見て手で触れることでより深く実感できると思うんです」。ちなみに、「みやもと糀店」では宮本さんが作ったお米や大豆、糀を買うこともできるんですよ!
時には休むことも大切
農作業やワークショップが落ち着く夏の期間は、さまざまなイベントに参加。「性格的に1年中忙しいのは苦手。冬はしっかり働いて、比較的時間に余裕のある夏はできるだけ外に出るようにしています。そうすることで新しい情報が入り、世の中の動きが見えてくるんです」。
音楽イベントで趣味のパーカッション演奏をすることも。「趣味の時間を楽しみながらも新しい情報をキャッチして、また次の展開に活かせたらいいなと思っています」。
感覚を信じ、やりたいことに挑戦してみる
新しいことを始める時の判断基準は、宮本さんの中にある感覚のみ。「自分の中にいくつかポイントがあって、面白そうだと思ったらやってみる。たとえ失敗したとしても自分が決めたことだから納得できるし、その経験を次への原動力にすればいい。今後もやりたいと思うことを、思いっきり自由に楽しんでやろうと思っています!」。
楽しいことができそう!という感覚は、農業をはじめて17年かけてやっと掴んできたのだそう。
無理せず、自分の気持ちに正直で
「誰だって、同じことをしていても楽しい時もあればつまらないと感じる時もありますよね。それって自然なことだと思うし、たとえ不格好だとしても自分に正直でいたいと思っています。
迷ったり悩んだりする不確かな自分も、楽しんで受け入れる。そうすることで、相手のことも受け入れることができるんです」。
何かがあるから幸せと感じるのではなく、自分が幸せを感じられるように生きていきたいと宮本さんは語ります。
根底にあるのは自然に対する探究心
「自分が農業に携わっている1番の理由は、"自然と生きていくとはどういうことか"を知りたいという探求心。その時感じた面白い!と思う感覚と、心の奥底にある探求心を照らし合わせながら、これからも自分らしい道を突き進んでいきます」。
1つひとつの質問に、時に迷いながらもゆっくり丁寧に答えてくれた宮本さん。自分の気持ちに正直に、そして自由にのびのびと生きる姿に、強い憧れと大きな魅力を感じました。(取材:松本翔子)
インフォメーション
みやもと糀店
場所:愛知県西尾市西幡豆町市場25-1
電話:0563-62-6023
定休日:不定休(※販売は要予約。来店する際は、要事前連絡。)