2023年2月5日に投開票が行われた安城市長選挙。
安城市で初となる新人同士の一騎打ちとなり、元副市長で、41年間安城市役所に勤めていた三星元人(みつぼしもとひと)さんが初当選を果たしました。
三星新市長に今後取り組んでいくことや目指すまちの姿などについてお聞きしました。
■新市長としての思い
■地域経済の活性化に向けた支援
■学校給食費の無償化実現に向けて
■保育サービスの充実を目指す政策
■活力と豊かさにあふれたまちづくりを目指す
■趣味のジョギングについて
■安城市のおすすめスポット
■市民へのメッセージ
20年ぶりの新市長としての思い
2月15日に初登庁されて市長に就任されましたが、今のお気持ちはいかがでしょうか。
5期20年、神谷市長が勤めてまいりましたので、後任を務めるというのはプレッシャーがないといえば嘘になります。しかし、私のこれまでの行政経験を活かし、自分が正しいと思った道、政策をこれから進めていきたいと考えております。
選挙戦の中では、これまで41年、市役所に勤めてきたからこそ、市の魅力や課題がわかるとおっしゃっていました。まず取り組みたいことは何でしょうか。
ひとつは、子育て支援の充実です。安城市もご多分に漏れず子どもの数が減り続けており、このままでは危機的状況に陥りかねないと危惧しております。子育て支援策や教育にはしっかり力をいれていきたいと考えております。
地域経済の活性化に向けた支援を
もうひとつ取り組みたいことは、地域経済の活性化です。具体的には産業の振興とまちづくりの推進が挙げられ、安城市の農業、工業、商業の各種産業が抱える課題解決に向けた支援を行いたいと考えております。
例えば農業であれば、都市近郊の安城市において農地が少しずつ減っているという現状がございます。かつて日本デンマークと称された安城市の農業を守り、かつ競争力のある安城市の農産物を育てていきたいと考えております。
また、工業においては企業、あるいは事業所の方々が自社の成長のために投資していくという動きに関しまして、行政としてしっかり支援をしていく所存でございます。
学校給食費の無償化実現に向けて
選挙戦では、市民の方から子育て支援に注目しているという声をお聞きしました。三星市長の公約の中でも子育て支援策をかかげられていましたが、具体的にはどのような支援をお考えでしょうか。
子育て支援の中でもとりわけ大きな内容といたしまして、学校給食費の無償化というものを掲げさせていただいております。しかし、無償化には非常に大きな予算が必要になるため、直ちに完全実施ということは難しい状況であることを皆様にご承知いただきたいと考えておりますが、財源的に目途の立った範囲内で段階的に実施を進めていく予定でございます。
つきましては、来年度6月の補正予算で上程し、来年度にスタートを切りたいと考えております。
保育サービスの充実を目指す政策
もう一つの支援策は、保育サービスです。「低年齢児保育の無償化」や「育休退園の解消」、「病児・病後児保育の拡充」、「延長保育・休日保育」等を解決していくうえで、やはり保育士を先に確保していく必要がございます。
来年度中に保育士の募集を行い、再来年度採用ということが可能になれば、増員できた状況に応じて保育サービスの充実を段階的に行う予定でありますので、令和6年度から開始するものが多くなると考えております。
活力と豊かさにあふれたまちづくりを目指す
令和6年度から安城市では新しく第9次総合計画が始まるため、来年度では細かい内容を決めていく年になると思います。前の市長神谷さんは第8次総合計画で幸せつながる健幸都市を目指してきましたが、三星市長が目指すのはどんな町でしょうか。
(未来が)不透明な時代を迎えた中においても、市民が元気を失わず、活力を持ちながら豊かな生活を送り続けることができるという部分は根幹に置くべきだと思います。また、持続可能な社会をしっかりと構築していくことが、ひとつの大きな考え方の柱になると考えております。
加えて、安城市や未来の社会の担い手である子どもたちを守り育てるのも、我々大人たちの責務であると感じております。「子ども」に関連することにつきましては、総合計画の中でもかなり大きな柱として位置付けていきたいと考えております。
趣味のジョギングで考え事を整理
プライベートなお話もお聞きしたいと思いますが、選挙戦ではジョギングをしながら市民の方と交流する姿が印象的でした。
ジョギングは市長に就いてからは忙しさもあり、以前の半分ほどの日数にはなっておりますが、今後も続けていきたいですね。
桜井町在住のため、自宅を出て矢作川の堤防を走るというのが、私の定番コース。藤井町の志貴野橋の袂から矢作川の堤防を北上し、小川橋まで出ましたらそこから家に帰るというのが毎回のジョギングコースとなります。朝は通常ですと4時ごろに起床、5時半には家をスタートし、およそ1時間ジョギングコースを走っております。
ジョギングはストレス解消や気分転換にもなりますし、走りながら色々と考え事をすることも可能です。脳を使わないため、考えをあれこれと整理できるというのは非常に貴重な時間であると感じます。
市長おすすめのスポット
安城市のおすすめスポットはございますか
安城のおすすめスポットは、私のジョギングコースでもある矢作川。川沿いは自然が残されており、季節の移ろいを感じられる場所です。3月からはウグイスが鳴き始め、澄み切った朝の空気の中であの鳴き声を聞くとさわやかな気分になりますね。日の出の時期からも季節を感じられ、朝日を浴びることで気持ちよく朝を迎えることができます。3月下旬頃はデンパークの北側にある半場川沿いの陽光桜の並木もおすすめです。陽光桜はソメイヨシノより開花が早く、花の色が非常に濃いピンクです。
桜が満開になる時期に、その下に植えられているユキヤナギも見ごろを迎え、さらに河川敷には菜の花も咲いており、ピンク、白、黄色の花が帯のようにずっと伸びていく景色は非常に見ごたえがございます。ぜひご覧いただきたいと思いますね。
市民が輝ける安城市に向けて
今後の安城市の行方がどうなるのか、市民の皆さんも注目しているかと思います。市民の皆さんにメッセージをお願いいたします。
市民の皆様に、安城市に住んでよかったと思っていただけるまち、さらには市民であることを誇りに感じていただけるよう、安城市の魅力にさらに磨きをかけるため、一生懸命仕事をしてまいりたいと考えております。市民の皆様にはどうか、市政に関しまして、格別のご理解、ご協力をお願いいたしまして、私から皆様へのご挨拶とさせていただきたいと思います。
4年間の任期、全力で走ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(取材:山口さくら・鈴木崇史/2023年2月取材)