愛知県碧南市の名鉄三河線・碧南駅からほど近い大浜地区。このエリアは「大浜てらまち」と呼ばれ、由緒ある10か所のお寺や醸造文化の面影を残す蔵など、古き良き街並みが魅力です。今回は電車でふらっと行ける、大浜の日帰りおさんぽ旅をご紹介。ちょっとレトロな癒し空間を、歩いて巡ってみませんか?
※2024年2月取材・撮影。お出かけの際は最新情報をご確認ください
旅は2019年にリニューアルされた碧南駅から
今回は車ではなく、電車でおでかけ。スタート地点である名鉄三河線の終着駅・碧南駅は、2019年のリニューアルを経て現在の駅舎に。屋根には三州瓦を使用し、全体的にモダンな雰囲気でとてもおしゃれです。知立駅からは約35分、刈谷駅からは約30分の電車の旅。車窓からの景色をのんびり眺めるのもいいかも!
駅に周辺の観光に便利なパンフレットが置いてあるのを発見!パンフレットを手に、いざ出発~!
お寺の境内にある「林泉寺カフェ」
お寺が集中して存在する大浜エリアで最初に訪れたのは、碧南駅から歩いて7分ほどの場所にある「林泉寺(りんせんじ)」。
お寺にカフェ?と思いつつ境内に足を踏み入れると、カフェの看板が!
お参りに来た方にゆっくりお茶をしてもらえればと、ご住職の奥様が、2019年5月オープンさせたカフェなんです。
“おしゃべりが弾む”空間
「12席のみのカフェなので、お客さんみんなでお話しが弾むことも多いんですよ」と、カフェオーナーの貴子さん。地元の方を中心に人気の隠れ家的なカフェです。
席からお庭を眺めながら、ゆったりとした時間が流れます。
1人でお店を切り盛りしているため、ドリンクメニューのみの提供ですが、プラス100円でトーストをつけることもできます。抹茶(500円・税込)をオーダーできるのも、お寺を感じられて◎。
お茶菓子がついたらラッキー!?
「ないときもありますが、お寺にあったらお出ししてます」。
と、ドリンクを注文すると付いてきたお茶菓子。この日はフィナンシェでしたが、他にも饅頭やお煎餅などが付くこともあるそう。お茶請けがあるって、なんだかうれしい!
オーナーとの楽しいトークを楽しみながら穏やかな時間が流れます。ほっと一息つきたいな、という方は、立ち寄ってみて。
林泉寺カフェ
場所:愛知県碧南市本郷町3-8
電話:0566-41-2973
営業時間:9:00~12:00
定休日:木~土曜日
公式Instagram
浜寺町の黒壁の小路を散策
林泉寺のお隣、九重味淋と西方寺の間には趣のある黒壁の小路が。この通りは、シックな黒壁と西方寺の太鼓堂を一緒に映すことができる西側からの撮影がおすすめ!
車だと立ち寄りにくい散策スポットも、徒歩ならふらりと立ち寄れます。
レトロかわいい!旧大浜警察署
黒壁の小路から歩いて5分ほどのところにあるのが、旧大浜警察署です。大正13年(1924年)から昭和23年(1948年)まで、実際に警察署として使われていました。白い壁に、えんじ色の屋根がレトロでかわいい!大正ロマンの面影をそこかしこに感じられます。
また、建物の脇にちょこんと建っている「バロメートル」と呼ばれる気圧計は、大浜港の安全を守るために設置されたもの(現在は使用されていません)。昔からこの地域の治安と安全を守ってくれていたことがわかります。
「竹千代」命名の寺 称名寺
旧大浜警察署から歩くこと3分。今度は称名寺に到着です!
称名寺は、徳川家康が幼名・竹千代を授けられたとされるお寺。一説によると、1543年にここ「称名寺」で行われた句会で、お題の「神々のながきうき世を守るかな」に対して松平広忠は「めぐりは広き園の千代竹」と詠んだそう。そんな歴史を感じられるスポットです。
「『どうする家康』で注目のエリア!愛知県西三河で家康ゆかりのスポットめぐり」では、ほかにもお寺を多数紹介!歴史好きなら見逃せません。
炭焼きうなぎ 十一八
称名寺で家康の歴史に触れたあとは、お待ちかねのランチタイム。碧南駅に戻るルートを歩いて5分ほど、港橋北交差点近くにある「炭焼きうなぎ 十一八(じゅういちや)」におじゃまします!
十一八は創業百余年の老舗。代々受け継がれる伝統のうなぎ料理をいただくことができます。おすすめの「ひつまぶし」(3,400円・税込)はうなぎを生の状態からじっくりと焼き上げ、地元のみりん、しょうゆ、たまりをブレンドした「継ぎ足しのタレ」につけていただく、まさに十一八伝統の味です。う~ん、おいしい!
ベーグル専門店 わっぱ堂
十一八さんのお隣にお店を構えるのが、ベーグルのテイクアウト専門店・わっぱ堂です。明治時代の建物をリノベーションした店内には、手作りベーグルがずらり。小麦粉の配合や生地のゆで時間を試行錯誤して出来上がったベーグルは、ふわもち食感が自慢です。
冷凍に向いているというベーグル。持ち帰って自宅で楽しむのもおすすめです!
詳しくは「ふわもち食感に驚き!愛知県碧南市で人気のベーグル専門店「わっぱ堂」をチェック!
九重味淋で伝統の味をじっくり学ぶ
わっぱ堂を出て、今度は歩いて2分。九重味淋に向かいます!九重味淋は、いわずと知れたみりんの老舗ブランド。1772年に創業し、これまで伝統の味を守ってきました。
希望すれば、江戸時代から続くみりん蔵の一部と「九重みりん時代館」を見学できるガイドツアーに参加可能。見学実施日時は水曜、木曜、金曜の週3回で、1日1回10:00からです。3日前までの予約が必要なので、興味がある方は公式HPを確認してみて。
直売店「石川八郎治商店」でお土産選び♬
旅の最後は、自慢のみりんを取り扱っている「石川八郎治商店」でお土産探し。本みりん以外にも、みりんを使ったおやつ、食品、飲料などを販売しています。いろいろあって、迷っちゃいます…。
この日は、店舗スタッフさんイチオシの「下味革命もろみのチカラ」(300ml/606円・税込)をゲット。みりんを製造する過程でできるもろみを応用した調味料で、漬け込んで焼くだけで味をまろやかに、そして素材を柔らかくしてくれる優れものです。さっそく、家で料理に使ってみたところ…。漬けこんだあとのお肉の柔らかさに感動!あまり手軽さに、早くもリピート確定です。
ほかにも魅力的な商品を取りそろえていて、みりんソフトやみりんラテなどの飲食メニューも充実。隣接する「レストラン&カフェ K庵」ではみりんを使った本格的なお料理を楽しめます。
九重味淋 石川八郎治商店
場所:愛知県碧南市浜寺町2丁目11番地
電話:0566-45-7998
営業時間:9:30~17:30
定休日:月曜、火曜
公式Instagram
「大浜てらまちウォーキング」も楽しもう!
今回歩いた大浜エリアでは、毎年10月に「大浜てらまちウォーキング」を開催しています。ステージイベントをはじめ、キッチンカーや飲食・物販エリアの出店、十ヶ寺巡りスタンプラリーなど…さまざまな催し物でエリア一帯が盛り上がります!
古き良き街並みと碧南の歴史を感じながら散策して、すっかり心も晴れやかに。車以外でも観光を楽しめる大浜エリアに、皆さんもぜひ足を運んでみては。(取材:安藤香奈美/2024年1月取材・撮影)
取材協力:大浜てらまち案内人の会