トンボロ干潟や潮干狩りで有名な愛知県西尾市東幡豆町。ここで超レアな「カニ漁体験」ができるのはご存じですか?小型船に乗って、あらかじめ仕掛けられたカゴを引き上げる体験ができるんです。家族連れでも、仲良しグループで参加しても、思い出に残ること間違いなし!
今回は、近所のはなし取材班の女性ライターが実際にカニ漁を体験。当日の流れから持ち物、実際にどんなカニがとれるのか、徹底リポートします!
※2023年10月取材・撮影。お出かけの際は最新情報をご確認ください
事前に予約を済ませたら…当日は漁港に集合
愛知県西尾市にある東幡豆町。トンボロ干潟や潮干狩りが有名ですが、「漁師体験」もできちゃうんです。東幡豆漁業協同組合が開催している体験は「底引き網漁」と「カニカゴ漁」の2種類。今回は、冬の味覚・カニをとるためにカニカゴ漁に挑戦します!
全国でもなかなか体験することができないカニカゴ漁。愛知県内でも体験できる場所が限られている、超レア体験です。希望日の2週間前までに電話で予約をして、当日は東幡豆漁港から船に乗り込みます。集合時間は季節や天候によって異なるので、予約の際に確認して。
必要なものは? ライフジャケットは貸し出しあり
船上ではライフジャケットの着用が必須ですが、小学生以上の参加者には貸し出し(無料)があるので安心です。ほかにも、持参が必要なものを一気にご紹介!
・クーラーボックスか発泡スチロールの箱
とれたカニを持ち帰るために必要です。氷は現地で購入可能(税込・1,000円)
・水仕事で使うようなゴム手袋
引き上げたカゴを開けたり、カニを手で触ったりするので、ケガ防止のために必ず持っていきましょう。
・防寒グッズ
穏やかに晴れていても、海の上では風が吹いて寒いことも…。防寒対策は万全に。
・カッパやポンチョ、長靴
船の上では汚れたり、水がかかったりする可能性も。
水面に反射した太陽がまぶしいと感じることもあるので、不安な人はサングラスを持っていくのもいいかもしれません。
船に揺られること15分…ポイントに到着!
この日は朝7時半に集合。遅い時間だと、カニが仕掛けられたエサだけを食べてカゴから逃げてしまうこともあるそうです。
準備ができたら、いざ出発!カゴを仕掛けてあるポイントまでしばしの船旅です。今回の漁でとれるのは、タイワンガザミと呼ばれる甲羅が約10センチのカニと、それよりも一回りもサイズが大きいワタリガニだそう。ワタリガニは貴重で、なかなかとることができないんだとか…。
そう聞くと、なんとしてもとりたい!一方で「なにもとれなかったらどうしよう…」という不安も…。
体験を指導してくれる漁師さんと話しているうちに、15分ほどで無事にポイントに到着!この日は波が弱く、心配していた船酔いになることもありませんでした。
まずはお手本を見せてもらいました
ポイントに到着すると、まず漁師さんがロープを引いて、ぶらさがっているカゴを実際に引き上げる様子を見せてくれます。重そうなカゴを軽々と引き上げる漁師さん、さすが、海の男です…!
さっそく、カゴの中をチェックしてみると…。
さっそく1カゴ目からカニゲット!
いたー!幸先よく最初のカゴからタイワンガザミを5匹もゲットすることができました!これはなかなかいいスタートなのでは…!胸が高鳴ります。
ちなみにカニの数え方は生きていると「匹」で、売り物の状態になると「杯」になるそう。勉強になります。
いざ…カゴ引きに挑戦!
お手本を見せてもらったところで、いよいよ実践…!ロープを引いて、カゴを引き上げていきます。
ロープを引きすぎて、カゴが船底の下に潜り込んでしまうと、引き上げるためにさらに力を入れなくてはいけないことも。タイミングよく引き上げるのがコツのようです。
自分で引き上げたカゴにカニが!
カゴを引き上げてみると、中にカニが何匹も!う、うれしい~!
ロープを引くのに少し力が必要ですが、女性ひとりでもカゴを引き上げることができました!小さな子どもは親や大人と一緒に引き上げる必要がありそうですが、力を合わせればいい思い出になるはず!
約30分でどっさり! ワタリガニもゲット
仕掛けられた40個のカニカゴを引き上げること約30分…。なんと、2つのカゴの底が見えないくらいのカニ・カニ・カニ!定番のタイワンガザミだけではなく、大きなワタリガニも5匹ほどとることができました。がんばって引き上げてよかった…!
ちなみにワタリガニは時期によっては1kgで1万円ほどする高級品。この漁でも、運がいいとワタリガニが多くカゴに入っていることも。引き上げてみるまでわからないのがカニカゴ漁の魅力かもしれません。
とれたカニはもちろん全て持ち帰りOK。シンプルにゆでて食べるのがおすすめだそうです。ゆでる前に氷でしっかりと締めておくのがポイントで、海水よりもやや薄い濃度の塩水を沸騰させたら準備完了。ゆでる時間は手のひらサイズのタイワンガザミなら10分、ワタリガニなら15分ほど。
ゆでたてのほくほくのカニの身を想像しながら、港に戻ります。
頼もし~い地元の漁師さん
今回の体験を見守ってくれたのは、東幡豆漁港で働く尾崎健二さん(写真左)と鳥居栄志郎さん。経験豊富な漁師さんがしっかりとサポートしてくれるので、安心して体験を楽しめます。お2人によると、過去にはカゴの中に高級魚のフグが入っていたこともあるそう。引き上げてみるまで、何が入っているのかわからないドキドキもカゴを使った漁ならではの魅力なのかもしれません。
カニ漁体験が始まったのは、約4年前。家族連れやグループで毎年参加される方が多いそうですが、尾崎さんたちは「もっと多くの人に体験してほしい」と話します。近場でできるレア体験、ぜひ参加してみて!
カニ漁体験を終えて… また来年もやりたい!
約1時間半のカニ漁体験を終え、無事に港に戻ってきました。早起きだし、船酔いが心配だし、1匹もとれなかったらどうしよう…と不安だらけでしたが、大漁のカニをゲットすることができて疲れも吹き飛びました!
お友だちと何人かで来て、ワイワイやりながらみんなでカゴを引き上げるのも楽しそうだな…。次はワタリガニをもっとたくさんとりたいな…。と、さらなる夢が芽生えた筆者。「来年も体験しにこよう」と心に決めたのでした。
どんな人でも絶対に楽しめるカニ漁体験。レアなアクティビティーに興味がある人におすすめです。(取材:安藤香奈美/2023年10月取材・撮影)
東幡豆漁業協同組合 カニ漁体験
期間:5月~10月 気候によって異なる
集合場所:愛知県西尾市東幡豆町小見行田20番地3
駐車場:あり
電話:0563-62-2068(予約の電話は2週間前まで)
料金:1船で16,000円(税込・3人まで乗船可)、4人乗船時は20,000円。カニは全て持ち帰り可能。氷は1,000円で購入できます。
公式サイト