愛知県刈谷市で2023年に創業54年目を迎える老舗の建築会社「平成建設」が、ドローンを使って新たな事業に挑戦中です。その事業とは「ドローン建物調査」。これまでは調査員が屋根に登ったり、はしごを使ったりして危険と隣合わせで行ってきた建物調査を、ドローンで行うものです。コスト削減・高品質・安心安全をかなえるサービス「ドローンリサーチ刈谷」を徹底取材しました!
建築×ドローン 意外な組み合わせの誕生秘話
ドローンを操縦するこの男性は、平成建設の副社長・原嘉伸さんです。社内には、一般社団法人「ドローン操縦士協会」(DPA)認定の資格を保有した原さんを含め、ドローン操縦士が3名在籍。建物調査に対応しています。
平成建設がドローン建物調査を始めたのは、2022年のこと。屋根・外壁などの調査は、調査員がはしごを登ったり、高所作業車を使って確認したりする危険な作業でしたが、「ドローンを使えば安全に調査できるのでは」と考えたことがきっかけだそうです。
屋根を調査するドローン、出動!
これは実際にドローンが屋根を調査している様子。調査員が目視で確認する代わりにドローンが上空から撮影を行うので、高所からの転落事故を防げます。そして、建築のノウハウを持った会社がドローン調査を実施することの最大のメリットは、ほかの業者を介することなく、調査から見積もり、修理・修繕までをワンストップで行えること。調査の後、問題があればすぐに修繕に取りかかれるスピード感も魅力です。
ドローンは2台体制 どんな変化も見逃さない
平成建設が現在所有するドローンは2台。通常のカメラを搭載したものと、赤外線(サーモグラフィ)カメラを搭載したものを導入しています。これまでの調査では、はしごをかけたり、足場を組んだり、高所作業車を出したり…と手間・時間・お金のどれもがかかることがネックでしたが、ドローンはカバン1つで出動可能。保安設備を積んだとしても、普通車で現場に向かうことができます。台風などの荒天や、災害時に速やかに建物の状態を確認できるのもうれしいポイント。刈谷市内だけではなく、知立、安城、岡崎、豊田(一部)、豊明、日進、東郷、みよし、名古屋への出張調査も行っています。
赤外線カメラで目に見えない損傷もくっきり
赤外線カメラを搭載したドローンでは、目視で確認できない不具合や損傷個所もすぐにチェックできます。空洞になっていたりタイルが浮いていたりする箇所は水がしみ込みやすく、特に雨上がりには温度が低くなるため、ドローンを使って撮影した画像で確認すると一目瞭然!ソーラーパネルの故障の1つで、特定の箇所が特に発熱してしまう「ホットスポット現象」も赤外線カメラならすぐに判別できます。目で見て判別できない不具合を、画像を見ながら確認することを可能にしたドローン建物調査。これなら納得して修繕に踏み切ることができます。
公共から一般まで 幅広いニーズに対応
2022年にスタートしたドローン建物調査は、公共施設から一般住宅まで幅広く対応しています。「ドローンに対して『きちんと調査できないのでは』『落下の危険があるのでは』という印象を持たれている方も多いと思いますが、築年数が経っているお宅こそ、この調査が必要なんじゃないか」と原さんは話します。実際に一戸建ての住宅に調査のために訪れた際には、ドローンを物珍しそうに見るお客さんもいたそう。「実際に画面を見せながら、リアルタイムで説明します。すると『よく見えるね』と感心していただくことも多いんですよ」。新たな挑戦は、地元の人々にも好意的に受け止められているようです。
利用するには?料金や調査までの流れ
安心安全、かつ高品質なドローン建物調査。相談や問い合わせはドローンリサーチ刈谷の公式LINE(ID:@hei5539)から直接やりとりができます。気になる箇所の写真をLINEで送ることで、実際に調査をスムーズに行うことができるそう。料金は、個人の住宅では約1万円から。足場や高所作業車を用意する必要がないため、相場の10分の1程度で調査が可能になりました。さらに調査・見積もりを経てそのまま修繕工事を発注する場合、調査料金は無料に。原さんは「車で言うところの車検のように利用してもらえたら」と呼びかけています。
危険と隣り合わせだった建物調査を変えたい
調査から施工まで、さまざまな工程で危険が伴うことから、屋根や壁の調査は建設業界でも取り扱っている企業は少ないそう。一方で、点検を後回しにしていると重大な事故につながりかねません。原さんは「私たちはこの地域で50年以上やってきた会社です。ドローンを使って危険を排除し、きちんとした知識を持って点検することで、地域の人々に安心・安全を提供し続けることが大事だと考えています」と言葉に力を込めました。
信頼と実績で次の時代を作る
6月に社屋もリニューアルし、原さんは「志のある人に『この会社で働きたい』『一緒にやってみたい』と思ってもらえる会社にしていきたいですね」と未来を見据えています。2021年5月には「SDGs宣言」も行いました。「今はもうスクラップ・アンド・ビルドの時代ではありません。ドローン建物調査で早めの修繕を行うことで、災害に強い、長く住める家を作っていきたい」と話す原さん。培ってきた50年以上の信頼と実績、そしてドローンという最新技術のハイブリットで、地域に暮らす人々の生活を守り、持続可能な家づくりに貢献しています。(取材・安藤香奈美/2023年5月取材)
ドローンリサーチ刈谷/株式会社平成建設
場所:愛知県刈谷市井ケ谷町中前田68番地
電話:0566-36-5539(代表)
料金:公式ホームページをご覧ください
ドローンリサーチ刈谷公式ホームページ
Instagram
LINE公式アカウント @hei5539