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ぐるめ

「三河湾の旬な高級魚」を手軽に、無駄なく味わいつくす

農漁めし「農家・漁師のおいしいごはん」

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農作物も魚貝類も豊富な愛知県西三河地方。地元が誇る旬の食材を、農家や漁師はどのように味わっているのか?知られざる「おいしい食べ方」を伝授します。今回の食材は「メバル」。

煮つけだけじゃない!刺身も旨いメバルの実力

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愛知県西尾市の一色漁港に隣接する「三河一色さかな村」にある深谷水産の杉田昌也さんに、

漁師おススメの美味しいメバル料理を教えてもらいました。それは、ズバリ、刺身!

「メバルは、淡白な割に脂もそれなりにのっていて、刺身がおいしい。さばいたあとに出たアラを使ったアラ汁も絶品」とのこと。メバルといえば煮つけが王道ですが、刺身とはちょっと意外。三河湾の旬の魚貝が集まるこの地域ならではの味わい方と言えるでしょう。

■メバルの刺身

材料

メバル...1匹

1 生魚の場合、頭に釘などを刺して神経を抜く。

〈ポイント〉魚が動かなくなり、さばきやすくなります。

2 包丁でウロコをきれいに取る。

〈ポイント〉あとで使いやすいように、頭や腹のウロコもきれいにとっておきましょう。

3 エラを切り、エラとつながっているハラワタも一緒に取る。

〈ポイント〉エラやハラワタを取り除いた状態ならば2~3日は冷蔵保存が可能。このまま冷凍すればさらに長持ちします。

4 魚のエラの部分から水を入れながら腸を取る。

5 背ビレにそって包丁を入れ、皮を切る。皮が切れたら5mmほど骨沿いに切り込みを入れる。(あとで身が取りやすくなる)同様に腹側にも包丁を入れる。

6 背ビレ側から中骨にそって包丁を入れて身を切り離し、3枚に下ろす。

7 身と皮の間に包丁を入れ、皮を剥ぐ。

〈ポイント〉この皮も湯引きすればおいしく食べられます。

8 トゲ抜きで身に残った小骨を抜く。

9 刺身に切る。

〈ポイント〉包丁を斜めに入れるときれいに切れます。

■メバルのアラ汁

材料(4人前)

メバルのアラ...約100g

生ワカメ...約100g

味噌...大さじ約2杯

水...600cc

1 鍋で湯を沸かし、アラを投入する。

〈ポイント〉こまめにアクを取りましょう。

2 よく煮込んだら味噌をとく。

3 火を止める少し前にワカメを入れる。

新鮮な魚介類は、闇の中、漁港にやってくる

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「メバル」など、三河湾で獲れた魚介類は、愛知県西尾市の一色漁港に集まってきます。

一色漁港の1日は、まだ町が寝静まっている午前1時頃から始まります。朝のセリが明け方に始まるため、漁に出ていた漁船がその時間に間に合うよう魚を積んで漁港に続々と入港してくるのです。

一色漁港には、ここを拠点とする漁船以外にも三河湾内の各地の漁船が乗りつけます。セリが行われるのは大きな漁港に限られていて、漁師たちは漁の成果や出漁時間などを考慮してその日に水揚げする漁港を選んでいます。

接岸すると漁師はすぐさま魚介を漁船から下ろし、種類ごとに分けて「トロ箱」に入れ、漁港内のセリ場に並べていきます。

1週間ぶりの水揚げ!仲買人の視線がメバルに集まる

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2月中旬のこの日、メバルを漁船で運んできたのは篠島の2人の漁師。その1人、辻貴人さんは主に篠島の特産品として知られるシラス漁とフグ漁を行っていますが、それらの漁がないときにメバルを獲るとのこと。辻さんによると、メバルは外海で獲れることもあるが内湾で獲れるもののほうが美味しいそう。ちなみに、メバルが一色漁港に揚がるのは1週間ぶりとのこと。

セリの開始は午前4時20分頃。この日は天候が悪かったのでセリにかけられる魚も少なく、メバルが"主役"です。セリは威勢のよい掛け声とともにスピーディーに進み、10分ほどで終了。セリの輪が解けると仲買人たちは自分がセリ落としたトロ箱をすぐさま運び出して行きます。

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メバルの刺身、アラ汁のレシピを教えてくれた深谷水産の杉田昌也さんも、この日セリでメバルを落札した魚屋の1人。店に着くとトロ箱の中からメバルを選び出し、3匹ずつ氷を敷いたトレイに載せて値を付けます。この日は程よい大きさの新鮮なメバルが3匹で900円。杉田さんいわく「標準的な値段は今日のメバルなら1500円くらいかな」。さすが漁港直結の仲買人直売店、ここならではのお値打ち価格です。

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その日に獲れた魚介類だからこそ味わえる極上の味。

メバルの刺身は、ほのかに紅色が差す美しい白身で、意外なほど脂がのっています。白身魚らしい淡白な味わいの中に旨味が凝縮されているようで、後を引く美味しさ。新鮮な身はよく引き締まっていて、歯ごたえもじゅうぶんです。

アラ汁は、メバルのアラからダシがよく出て、鼻をくすぐる海の恵みの香りがたまりません。具のワカメはメバルと同じくこの季節のもので、西尾市の沿岸部で養殖されているワカメ。シンプルですが、ダシの旨味を存分に味わえる一品です。

ちなみに、メバルを漢字で書くと「目張」。その名のとおり、目玉がぎょろりと出張っているようにみえることが名前の由来です。

浅瀬の岩礁や藻場などに棲息し、北海道から九州まで広い範囲で水揚げされています。昔はよく獲れたので食卓にのぼる機会も多かったのですが、次第に獲れなくなり、現在は少し値の張る高級魚になってしまいました。

愛知県西尾市の一色漁港では冬から春にかけてときどき水揚げされ、「三河一色さなか村」の店先に値打ちの価格で並びます。愛知県のメバル漁場は、三河湾の佐久島・篠島・日間賀島周辺と、伊勢湾の南知多町師崎沖。旬は冬から春にかけての寒い時期。今年は寒さが続いているので、お目にかかるチャンスはまだありそうです。(取材:内藤昌康)

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【メバルはここで購入できます】

深谷水産

愛知県西尾市一色町小薮船江東180 「三河一色さかな村」内

営業時間 平日5:00~8:00、土日・祝4:30~12:00

定休日 月曜・水曜

※ほかにも三河一色さかな村には、約30の店舗があり、仕入れ次第で、新鮮な様々な旬な魚を購入できます。

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