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あの人

西尾から世界に羽ばたく天才レーサー・宮島昊雅

現在、カートの世界で活躍している愛知県西尾市の中学生をご存知でしょうか?その名は宮島昊雅(こうが)。「ジュニアカート選手権FPジュニアクラス」や「鈴鹿選手権シリーズYAMAHA SSクラス」といったカートレースに参戦し、年間王者を目指す中学1年生のレーサーです。「ATEAM Buzz motorsport.」に所属し、2018年4月、現在のクラスに参戦すると、デビュー戦を初優勝で飾るという快挙を成し遂げました。

今回はそんな宮島選手が語ってくれたF1ドライバーになるという夢や、取材から垣間見えた中学生になったばかりの等身大の姿、さらにはカートの世界の奥深さなどを紹介します。

カートはF1レーサーへの登竜門

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優勝したJAFジュニアカート選手権西地域開幕戦

カートレースは、F1と同じモータースポーツのひとつで、選手のレベルや趣旨に合わせたカテゴリー・レースが存在します。当該年10歳(宮島選手が参加した当時)から参加できるクラスから、『カートのF1』とも称され国内最高峰のカートレースに位置づけられる「全日本カート選手権OKクラス」まで、幅広いクラスを有します。

競技人口は約4,000人、年間200以上のレースで熱い駆け引きを繰り広げています。過去には、中嶋一貴選手や小林可夢偉選手など、日本を代表するレーシングドライバーもカートを経て世界の舞台へと飛び出していきました。

カートの世界をステップアップしていく

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偉大な先輩たちに続いて、夢のF1の舞台へと進むべく挑戦を続けている宮島選手。初めてカートに触れたのは4歳。今と変わらず車が好きで、同じく車好きの父親に連れられて電動カートに乗ったのが最初だったそうです。

そこから、2014年、小学3年生8歳の頃に、現在のクラスのひとつ下「カデットクラス」でレースデビュー。2016年、「SLレインボーシリーズ カデットクラスチャンピオン」。2017年、「ジュニアカートFPジュニアカデット西地域ランク5位」という成績を収めるなど数々のレースで優勝。今年は、12~15歳の東西53名の若きドライバーたちによるFPジュニアクラスにクラスを上げて挑戦しています。

天才ドライバーも素顔は年相応

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普段は、カートのほかにも、週に5回も習い事に通っているという多忙なスケジュール。中学校では英語や国語が得意ながら、数学に苦戦している様子。また、数学以外にも、ジェットコースターも苦手なようで、100km/h近い速度を出すカートを乗りこなすドライバーのイメージとしては、とても意外な一面も。

また、ドライバーらしく運転には自信を持っているそうで、「母親の運転はアクセルの踏み方が悪いと思いながらも、指摘したら車から降ろされそうだから笑」と黙っているという、家族思い!?なエピソードも笑。

体感速度200km/hにも物怖じしない

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宮島選手の参戦した、FPジュニアカデットクラスとFPジュニアクラス。10歳から参加可能なカデットは、12歳から参加可能なジュニアよりマシンパワーが抑えられています。しかし、それでも、カデットで最高速度は80~90km/h。さらに速いジュニアでは100km/h近い速度になり、体感速度は200km/hを超える世界。怖くないのかと聞くと、「今はスピードに対する恐怖感はありません」と頼もしく答えてくれました。

基本的に練習は週末。豊田市の石野サーキットや、三重県の鈴鹿サーキットなどで技術を磨いています。体力をつけたり、レース感覚を養ったりするためなどに一度にコースを30周走ることもあるそうです。

最初から勝つ気で挑んだデビュー戦

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優勝したJAFジュニアカート選手権西地域開幕戦

2018年4月の琵琶湖でのジュニアカート選手権 FPジュニアクラス第1戦。「自分は初参戦。失うものは無いから攻めの気持ちで挑もう」と考えていた宮島選手は見事、ジュニアクラスデビュー戦で勝利を。序盤からレースを優位に進め、最終ラップで相手のミスを見逃さず抜き去ると、トップのままゴール。

実は、レース前日にはカートのフレームの一部が折れるアクシデントが発生していたとのこと。「折れるのはよくあることですよ。慌てずに溶接してレースに送り出しました」とチーム関係者も簡単に言いますが、そんなトラブルを乗り越えて、チーム一丸となっての初勝利でした。

YouTubeで走りを学ぶ

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優勝したJAFジュニアカート選手権西地域開幕戦

優勝した初戦を皮切りに、岡山や神戸、鈴鹿など数々のコースでレースを行う宮島選手。走り慣れないコースで戦うときにどんなことを意識しているのかを聞いてみると「チームの持っている走行データも活用しますが、YouTubeでそのコースの走行動画を見て、どう走ったらいいかをチェックしたりもします」と意外な答え。

他にも、現地で地元選手のコース取りを見て、独特なラインの走りをしていないかも確認。スタートする前から勝負は始まっているのだそうです。

「走りは教えない・人を育てる」チーム方針

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そんな宮島選手と一丸となって勝利をつかんだ「ATEAM Buzz motorsport.」。4歳から20歳までの合計33人のドライバーが所属。

「アクセルとブレーキなど基礎的な走り方は教えるが、速く走るテクニックなどは教えない。ヒントを与えて、きっかけをつくってあげるのが僕らの役目。『諦めない姿勢』『何があっても楽しむ気持ち』を育ててあげたい。チャレンジからの失敗はとがめない」と言っていました。そんなチームの育成理念に共感し、『挑戦しなければ、明日は変わらない』という理念の、株式会社エイチーム(ATEAM)がスポンサーとしてチームをバックアップしています。

F1を目指し次なる壁へ挑む

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将来のF1ドライバーを目指す宮島選手が、次なる目標として掲げたのは『全日本カートFS-125クラスでの年間ランキング6位以内』。FS-125クラスは、現在、宮島選手が参戦しているクラスのひとつ上で、当該年14歳から出場でき、3月生まれの宮島選手は再来年から出場資格を得ることが可能です。

そのFS-125クラスで東西の年間ランキング6位以内に入った選手が、次のステージであるフォーミュラーカーレース・スーパーFJへの参加資格を得ることができます。つまり、F1ドライバーとなるための次なる関門なのです。

魅せるレースで勝利と人の心を掴む

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理想のレースは、『観客を魅了するレース』。カートのスピードに魅了され、この世界に入ったという宮島選手ならではの考えです。「ただ勝つだけでなく、魅せるレースをして勝ちたいです。最初からトップを守って勝つのもいいですけど、レース終盤にトップを追い抜いて勝ったほうがお客さんに喜んでもらえるし、印象にも残る。いろんな人に覚えてもらい、さらに先のステップに進んでいきたい」と、将来への熱い決意を持つ宮島選手。

西尾から世界に羽ばたく!未来のF1レーサーの将来の夢は、もはや夢ではなく明確な目標としてそこに存在していました。(取材:西等)

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