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あの人

世界に飛び出せ、自由に踊れ、三河のダンサー

ダンスでつながる兄弟の物語

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愛知県西尾市にある「DANCE STUDIO HIGH STARS」。ここを拠点に東海地方のダンスシーンをリードしているのが、コレオグラファー(振付師)のCONiYとダンサーのSUGI-J。2人は兄弟であり、西尾市が誇る踊り人である。

キッズダンサーを全国に導く兄

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愛知屈指のダンスインストラクターとして数々のキッズダンスチームをコンテスト優勝に導いてきたCONiY(兄・写真左)は、コレオグラファーとしても精力的に作品制作を行い、コレオグラファーコンテストの総合プロデュースを担当。昨年開催された『あいちトリエンナーレ』の作品プロデュースをやり遂げるなど、そのスキルと人望は愛知のダンスシーン発展に貢献している。

「愛知のレベルは東京・大阪に比べるとまだまだ発展途上。ダンスに携わる人間として業界の裾野を広げる活動は不可欠です。こうした地道な取り組みを成功させるためには、私自身も成長を目指し新たな環境や舞台に積極的に飛び込まなければなりません」。柔和な表情で静かにつむがれるCONiYの言葉には強い使命感が宿っている。

「ダンスは仕事ではない」自由人である弟

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一方、SUGI-J(弟・写真右)を一言であらわすならば「自由」。ダンサーとして数々の有名アーティストと共演するだけでなく、イベントプロデューサー、MCなど活動領域は多岐にわたり、『盛り上がる場所にSUGI-Jあり』といわんばかりの活躍ぶりだ。

「いまの活動を職業だと思ったことはないです。あくまで自分が楽しいと思うことをやっているだけ。その延長線上で周囲を楽しませることができれば、それだけで満足です」。いたずらな笑顔を浮かべながらSUGI-Jは語る。

地元、西尾への深い愛情が2人を前に

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なんとも対称的な兄弟。そんな2人に共通するのが、地元への深い愛情。生粋の西尾人として故郷の魅力を話してくれた。「まち全体ののんびりとした雰囲気が好きですね。あと、八ツ面山の頂上から見渡す夜景は最高!星もきれいに見えるので、ぼーっと眺めてしまいます」とCONiY。

対するSUGI-Jは"自称・抹茶親善大使"と前置きしたうえで「抹茶は西尾市が誇る名産品!手土産としてどんな方にも必ず喜んでもらえます。これからも"自称・抹茶親善大使"としてどんどんPRしていきます」と意気込みを語る。その後も「抹茶ロールは外せないよな」とスイーツ談義に花を咲かせるなど、アーティスティックな姿とは異なる新たな一面を見せてくれた。

ダンスで見つけた自分の個性

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次に、2人の個性を育んできた生い立ちについて聞いてみた。「小さい頃はテレビタレントになりたかった」。開口一番に語ったのはSUGI-J。「もともと人前に立つことが大好き。ダンスとの出会いは17歳の時、CONiYが通っていたダンスレッスンに参加したのがきっかけです。いままで見たことのない未知な動きが繰り広げられる空間は、まさに非日常の世界。『新しいジブンに出会えるかも』。好奇心に身を任せ踊り始めました」。

1本のビデオが人生を変えた

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一方のCONiYは漫画や映画を愛するインドア派。ものをつくることが好きで調理師を夢見ていた。そんなCONiYがダンスの世界を志したきっかけとは?

「1本のダンスビデオが人生を変えました。躍動するダンサーのカッコよさに衝撃を受け、その日を境に練習に没頭。あのビデオに出会わなければいまの自分はありません」。ダンスへの情熱と自己の世界に没頭できる性格。CONiYの中で2つの要素が融合し、コレオグラファーとしての礎が築かれていった。

夢だった。西尾でのダンススタジオ

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ふとしたきっかけからダンスの虜となり、愛知のみならず全国を舞台に踊り続けている2人はいま、自身のさらなる進化を目指すだけでなく、洗練された技術と幅広い経験を活かし次世代の育成にも力を入れている。愛知県西尾市にある「DANCE STUDIO HIGH STARS」がその舞台。小学生をはじめとした生徒は、2人が提唱するダンスとその人柄に惹かれ今日も集まっている。

同スタジオの代表を務めるCONiYは「気軽にダンスを楽しみたい子からコンテスト優勝を目指す子までレッスンに励んでいます。ダンスには正解はありませんが不正解はあります。いままでの経験をもとに生徒一人ひとりに合った最善の指導を心がけています」と指導者としての思いを語る。

ダンスを通して子どもの成長を

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張り詰めたスタジオの雰囲気をユーモア溢れる言葉で和ませながらレッスンを進めるSUGI-J。熱い言葉を生徒一人ひとりにかけながら鼓舞する姿が印象的だ。

「ダンサーとして、一人の大人として子どもたちの手本となることを目指しています。ダンスを教えるだけでなく、正しい言葉づかいや振る舞いを通じて子どもの成長を後押しすることも大切な使命だと思っています」。

スタジオに響く気持ちのいい挨拶の声。2人の「指導者」としての思いは、磨き上げられたダンススキルとともに子どもたちに届いている。

ダンスの魅力を西尾から全国に

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西尾市に広がっていくダンスの輪。その中心に立つ2人はどのような未来を描いているのだろうか。CONiYは「コレオグラファーとしてより多くの人を感動させ、指導者としてダンスの楽しさを発信し子どもたちの夢を応援すること。そのためには、私自身がさらに成長しないといけませんね」とさらなる精進を誓う。SUGI-Jは故郷である西尾市の未来に思いを馳せている。

「人情味のあるまち、西尾。この愛すべきまちを盛り上げていくためにも世界に目を向けて多くのことを吸収していきたい。視野はグローバル、活動はローカル。合わせて『グローカル』です!」。目を輝かせながら夢を語るSUGI-J。「ほんと、その言葉好きだよな」と笑うCONiY。

ダンスを愛し、ダンスに生きる兄弟が躍動する西尾市を舞台に、これからどんなムーヴメントが巻き起こるのか、目が離せない。(取材:西村友行)

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